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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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7月30日 練習記

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 7月30日の土曜日、まずは午前から稽古でした。
 いつもの学生さん達がお休みで、遠方は都内からの方のみの参加でしたが、まだ暑く成りきる前の時間で気持ちよく稽古が出来ました。
 参加してくださった方が非常に聡明な方で、的を射た質問やご自身のテーマを的確にしてくださるので大変に進捗が芳しく、中身のある稽古が出来た手ごたえがありました。
 伝統的な武術の世界では、決して質問をしてはならないという習わしがあります。
 やれと言われたことをただ黙ってやり、出来なかったり分からなかったりするのは自分が未熟だからと沈黙を保つやりかたです。
 しかしうちではそれはしていません。
 きちんと一つ一つ理解を前提に内容を積み上げてゆきます。
 そのために質疑応答を常にして、いま何をしているのかを把握しながらその状態をチェックして制度を上げて、次に進んでそれと組み合わせると言うやり方をしています。
 ですので、その時々でやることはそんなに多くはありません。いくつかの練功法を理解して持ち帰っていただき、一人で功夫を練っていただくという形なので、遠方の方でも体得がしていただけるわけです。
 午前の練習が終わるとかんふーくらぶさんに移動しました。午後からはそちらでの練習。
 こちらではまず劈槌という動きの練習をしました。
 これは五獣の鶴の手の一つで、鉄線功で作った内勁を実際に発勁にするために非常に効果的な物です。私自身、劈槌で育てられたようなところがあります。
 打つと、実際に内勁が中でどう働いてるかをフィードバックしてより強く感じることができます。
 その感覚を捕まえることが出来たら、それを逃がさないように追いかけてゆけば功夫が強くなってゆきますし、他の様々な形でも打つことができます。
 打ちやすい劈槌から、八卦拳の色々な形などを実際に試してみました。
 八卦拳は蔡李佛の基礎であり、八方向の軌道を描いた基礎の拳です。
 これで全方向への発勁の基本を練習して、さらには少し上級な形の虎爪に進みました。
 虎爪には色々な形があるのですが、今回のはちょっとゴジラっぽい形の物にしました。
 八卦拳の内、上から下に打つカプチョイは手をまっすぐに伸ばして大きく打つのですが、虎爪ではゴジラのような構えに両腕を縮めて、そこからそのままバシリと相手を打ちます。
 きちんと勁の運用を理解するためお互いに打人するのですが、はじめてこれを受ける人の反応を見るのは面白いです。
 ゴジラの手から数センチ下に手を置いてもらうのですが(拳一つもあけない)、そこから不愛想に手をただ下ろして打つだけです。
 これで打たれた側は、体ごと持ってかれます。
 持ってかれる系のうちの発勁の威力が、こんな小さい動作でもきちんと顕れます。
 ノーモーションで、体重移動も加速もしない、大変につっけんどんな面白みのない動作ですが相手が体ごと持ってかれる。これが動作に意味があるのではない、見えない勁力の醍醐味です。
 次のWSでもこのゴジラをやろうかな。
  

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