先日の練習で、老師に私の三戦に関する所見をいただきました。
三戦は、福建鶴拳類で母拳となる重要なものです。
おそらく母拳を重視するというのはほとんどの中国武術に共通する考えだと思うのですが、特にこの福建鶴拳類では「三戦に生まれ、三戦に死す」と拳諺があるくらいにこれが尊ばれています。
老師は私の三戦に関して、三つほど注意を下さりました。
その後で「あとはOK」とおっしゃいました。
これはすごいことです。
大変驚きました。
伝統的な中国武術の先生方は、まずこういうことはおっしゃられない。
言わない先生方の方が信頼できる。
老師から褒められたのは過去一回だけ、うっかり練習時に発勁を披露したときだけです。
その時は反射的に「そうだ!」と言ってくださったのですが、私も普段の練習では勁を出すことはないですし、以後また粛々と練習をしてまいりました。
もちろん、三戦はここからが始まりということなのでしょう。
私にとっては老師のお言葉は、やっとスタート地点に立ったという意味だと受け取っています。
これがもし、なんでもいつでも「よいよい」と言って下さる先生なのだとしたら、それはもう初めから教える気が無いということでしょう。
だからこそ、こういうことには道標としての重要な意味を感じました。
これからも謙虚に練ってゆきましょう。