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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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武術文化の数字的こじつけ

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 この間、リベラル・アーツかなんかの分類についてのお話を聴きました。

 学問の分類に関するお話ですね。

 国語算数理科社会、なんてぐらいなら単純なんですが、中学生になると細分化されますね。

 国語は現文と古文になって、社会は歴史に地理にと別れていきます。歴史の中でも日本史と世界史が分かれます。

 この分類に関して、古代ギリシャではまず十進法で設定するということが行われたそうです。

 まず、世界全体に存在するあらゆるものを十種類に大枠で分けるところから始めます。

 そこからさらに、それぞれを十種類に分ける。

 そしてまたそれを十種類、というやり方で学問の分類をしたそうなんですね。

 結果、いくつかのカテゴリーにかぶってしまう物などが生まれたそうです。

 そういった問題もありながらも、このやり方は現在にまで渡って行われているのだと言います。

 こういった強引な西洋哲学式分類の伝統は、もろにカトリックに教化されて発展してきたフィリピン武術にもろに影響を与えています。

 とにかく、技法の数を3の倍数でまとめます。

 基本のテンプレートは12種類の軌道で出来ていて、一つ一つのサヤウ(型)も12動作で作られています。

 長めの物だともう3足して15動作。

 そんなサヤウが12個で一つのカテゴリーとされて居て、また別のカテゴリーのコンセプトのサヤウが12組あったりします。

 やっぱり恐らく、先に12という数字を決め打ちして言ったんだと思われるんですね。

 12動作で一つとして束ねていても、実際には重複していたりすることが多々あります。

 ですので実用のためというよりも人為的な都合でそうなっている、と考えた方が自然です。

 やはり文化的背景のためなのでしょう。

 これと同じことはもちろん中国武術でも行われています。

 なにせ中国の思想、文化と言えば陰陽思想、両義、三才、四方、五行、六合、七星、八卦、十二宿と、数秘のマジックに満ちています。

 これも文化的背景だと言って良いでしょう。私の立場で本当にそう言ってしまっていいのかはわかりませんが。

 まぁ、私は現代人なので、どうしても物事を相対化して比較研究してしまうのです。何か一つの形式を、絶対の真実だとは言い切れない。

 そして、であるからこそ、これらの物を学ぶことが文化を浴びる行為になると考えています。

 そこにもまた、伝統武術を学ぶ価値があります。

 いまできでは自分とは違う生き方の人々の価値観に触れることは難しい。


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