以前にも書いたように、うちの筆頭学生のコーコーさんが中級の段階に入りました。
現在一生懸命覚えているのが、我々香港鴻勝派の蔡李佛拳のベースになった、洪拳、蔡家拳、李家拳、佛門掌、白鶴拳という伝系が表現されていると思しき套路です。
様々な派の基本拳が次々につながって出てくるので、大変に緊張感があり、また覚えるのが難しく、かつ非常に重要な部分です。
これができないと、基本ができていないということになってしまうので、実力が問われてしまいます。
この基本拳の連なりの内に、「弾勁」と呼ばれる物があります。
どこの門に由来するのか不勉強ながら私は知らないのですが、おそらくは北派の少林拳からきたものであろうと思われます。
なぜならこの弾勁という言葉、かつて私が習ったことのある北派拳法でも使われていたからです。
また、蟷螂拳などもこの勁を用いると聞きます。
北蟷螂を使う友達は、蔡李佛拳を初めて見たとき、蟷螂拳に似ていると言っていましたが、確かに様々な門派を合併してできた即戦性の高い拳法となると似るのかもしれません。
ただ、この弾勁という言葉、実は南でも使います。
しかし、他の南派拳法でいうこれはまったく違う用勁を差しているので注意が必要です。
このようないくつもの迷い道を避けながら正しい道を歩くというのは、やはり正統な伝承なしには難しいことだと思います。
いや、この辺りはきちんと習っても難しいところでもありました。