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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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人生のリソース・5

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 この、人生のリソース不足をどうするか、というのが気功や伝統武術のテーマ足りえます。
 なのでうちはライフ・スタイルとしてのマーシャル・アーツを銘打っているのです。
 リソースが足りない場合には、その補充が最大の解決となります。
 これは簡単なことではありません。
 そのために、世の中では簡単に物事をやりおおせることを目標にするようなスピルチュアルや安易な裏技の模索のような物が氾濫しているのでしょう。
 つまり「技」です。
 この技の世界で小手先で楽をして何かを解決しようというのが現代の通常の手法です。
 スピリチュアルのコーナーにある本がすべて効果を発揮したとしましょう。読んだ人は「愛されキャラ」になって「引き寄せ」て「成功」して「お金がやってくる」ようになったとします。
 でも、その人のリソースが満たされない限り、永久に満たされることはありません。
 そんな馬鹿なと思う人もおられるでしょう。
 でも我々は現在、カルロス・ゴーンさんという人を目の当たりにしていますね?
 バカなことを続けていなければ、引退して余生を安楽に過ごせたはずなのに、生涯に使いきれないようなお金のために人に恨みを買い、自らの人生を破滅させた人を。
 まさに「シュガー・ラッシュ:オンライン」で言う「しつこくして嫌われる破滅的なパーソナリティ」そのものです。
 つまり、自分自身が変わって渇愛を辞め、欲を充たすことで幸せになるという考えを改め、成功なんかしなくても大丈夫になり、お金が無くても満たされて生きられるようになれば、円満な人生は送りえる。
 そのための方法が、リソースの増加によって認識能力を変化させる、ということです。
 漢字で言うと、精を増やして神を変化させるということですね。
 このための方法を、気功や中国武術では練精化気、練気化神と言います。
 まずリソースを運用可能なパワーにして、そのパワーをさらにそこで使い切ってしまわずに神に変化させる、ということです。
 一般に、多くの中国武術家や気功家は前半の部分で止まってしまうことが多いようです。
 リソースを現状で運用するパワーに活用するところで止まってしまう。
 だから精が消耗し、神が衰える。
 これは世界的に多くみられることだそうで、多くの支持者を抱えているような立派なスピリチュアル・リーダー的な人がとんでもない堕落を犯して破滅してゆくようなことはここに由来するようなのです。
 目先の力や名声が好きな人は、リソースから力を引き出すことに成功するとそのことに夢中になってしまって、際限なく力を引き出し、その力に依存するようになってしまう。
 それを自制する人格の力、すなわち神が必要なのです。
 だから、伝統を継承する弟子には、効果が出るまでの忍耐力と、効果が出てからの自制心が求められるのです。
 うちに来て堕ちて行った人たちはみな、この獲得した力の欲望にもろ手を挙げてはしゃぎ回った結果破滅してゆきました。
 選ばれた物として門をくぐることが出来たからといってそこで堕落してしまっては意味がない。
 それまでの惨めな人生が未熟な人間性を養ったために、最後までたどり着くだけの人格を築き損ねたのでしょう。
 そのすでに作られてしまった前提に抵抗して、改善をするために練精化気、練気化神の行に真摯に取り組むことは非常に自分自身のためになることと思われます。
 伝統中国武術とは本来そのように出来ているのです。
 決して目の前の技に目をくらませていては深奥にはたどり着けません。
 本当に中国武術を体得するためには、智と徳が必要だと言うのは、この認識能力と人間性が不可欠である、ということでしょう。


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