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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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精と脳

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 経典を読み終わりました。

 これは、いわゆる房中術と呼ばれる物に関するHOWTO本でした。

 房中術というと何やらSPAか何かの記事のような感じですが、そういう物ではありません。

 以前も書いたように、人体の中で普段は使わなくても常に準備され待機している生殖のための力をストックから引き出して、他のことに活用するための気功に関する物です。

 例えば、ボクシングなどのスポーツ選手は試合前にセックスをするとスペックが劇落ちすると言われています。

 あるいは、風邪を引いているときに行うと皮膚疾患などを起こしやすくなるというようなことを聴いたことがあります。

 そのように能力の発揮や健康とこのストックされた生命力は関係があるとされています。その扱いに関する気功という訳です。

 この性の力のことを、精と言います。

 大変疲れることを精も根も尽き果てて、などと言いますが、それはこの生命をつなぐ力まで使い尽くしてしまったということですね。それは大変。

 この本で書かれていたメソッドのテーマを一言で言うなら「環精補脳」ということです。

 これは、精を生命に還して脳の力を補うという意味です。

 脳はご存知の通り、人間の知性の他に人格が宿っている場所です。

 また、脳は消費カロリーの30パーセントを使っている場所だとも聞きます。

 それだけエネルギーを消耗する部分に精を回して知性と人格を安定させて高性能にしようというのがこの環精補脳です。

 以前にも書いた通り、人間の本質を神と言います。精神と言うときの神ですね。神経の神。

 この神とはつまり、認識能力です。

 つまり、性的なエネルギーを脳にまわすと、物事を理解したり判断する力が増すと言うことなのですが、これには注意が必要だと書いてありました。

 それは、時にこの方法によってクンダリニー症候群が起きるというのです。

 クンダリニー症候群とはヨガの行者が起こす病気で、性的エネルギーであるクンダリニーをヨガによって脳に引き上げた結果、下に降りなくなってしまって神経や頭の状態がおかしくなってしまうという症状です。

 この注意書きによって気づかされたのですが、インドでいうクンダリニーがすなわち中国の言葉でいう精と言うことですね。

 このクンダリニーが上昇して頭から上に抜けると、宇宙と繋がって認識力が上がると言われていますが、それは結局気功における環精補脳と同様の理論によるものでしょう。

 経典には、脳に上がった精は小周天によって全身を巡ると書かれています。

 すなわち、元々気功をしていて小周天が出来る人でないとこの精を挙げる気功は危険なだけだと思われます。そしてこの本には小周天のやり方は書いていないので、これだけ読んで独習など決してやろうとしないほうが賢明でしょう。

 やはり、いくら公開性が高い本だと言われていても、実際に手ほどきを受けた人間でなければ本来の内容にはたどり着けません。

 中には数回セミナーに出て本を読んだだけで自分で教え始めてしまう先生もいるそうですが、大変に危険なことに思われます。

 私は師父からこの内容を教わり、師父は大師から教わりましたので、本にあるような詳細な固有名詞や習った方法をなぜ行うのかということはわかりませんでしたが、以前から行っていたのですんなりと内容が納得できました。

 大師はカンフーを教えるときにしばしば「根本はセックス・パワーだ」と言っていたそうですが、まさにその活用の訓練を精という名前の物だと知らずに私は受け継いできていたのです。

 その結果、あれはもうおととしになるのですね、頭にそのエネルギーが上がって、穴所が開いて上に抜けるようになりました。

 結果、直観力という物を感じる力が強くなっていまに至っています。そう、認識力ですね。自分の外の世界と窓が開いて認識力が上がったようです。

 この現象が気功でいう大周天、ヨガではクンダリニー上昇と言うそうなのですが、その詳細について知れたのが今回の経典の解読での非常に大きな収穫です。

 一般には、この前の段階の小周天までが武術や気功における十分な状態であるようですので、うちの会員さんたちはそこまでを目指して練習をしてゆきます。

 この状態になると、神が落ち着いて、かつ多幸感が訪れるホルモンの分泌が活発になり、大変に人生が良い物になります。

 


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