蔡李佛拳の基本技法、今回ご紹介するのは劈槌です。これはいわゆる手刀の技です。
とはいえ、いわゆる北派の劈とは違っています。
有名な北の門派などでは、上から下に振り下ろす手刀を劈と呼ぶそうですが、こちらの劈槌は、掌を上に向けた手刀を横なぎに振ることを言います。
これは五獣でも鶴に相当する、大きく広げた翼を振るような要領が求められます。
また、鴻勝館の象徴である鴻という大鳥の姿でもあります。
このような姿勢は門派のアイデンティティにつながる問題として、実は重大なことであったりします。
そしてこの鳥の翼というのが、勁力面でのアイデンティティである鉄線功にもつながっています。線を伸ばすことはすなわち、翼を広げるということでもあるのです。
そのため、これら鳥の動作は勁力を強くするための重要な練功であるともいえます。
私自身も、この翼の動作によってずいぶん勁力の訓練ができました。