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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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体格改善

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 今朝起きたら、下腹部が張っていて痛い。

 しばらくそのままダラダラした後、上体を起こそうとしたら驚くほど胸が張っていました。

 もう、胸の筋肉にまったく遊びが感じられないくらいの張りです。

 前の日には、ハンギング・レッグレイズはしていません。

 それがいま私がやっている一番厳しいコンヴィクト・コンディショニングのステップが、それの上級者レップスである30回なのですが、前の日にはやっていない。

 となるとこの身体の異変はそのせいである可能性が低い訳です。

 では前の日に何をしたかと言いますと、ほんのわずか。

 トライセップス・エクステンション、ロープ・ハング、そしてアンイーヴン・プッシュアップです。

 トレイセップス・エクステンションに関しては、上腕が効いていないのでたぶん原因ではありません。

 残りの二つが胴体部を強烈に刺激するワークです。

 両手でロープにぶら下がるだけというロープ・ハングは、いまの私の能力ではたかだか10秒程度しか出来ないのですが、これがすごい。

 握りの力だけではなくて、そこに手首から下の身体全部をぶら下げる筋肉がすべて鍛えられます。

 私のハラミも内臓も、すべてが上に向かって繋がろうとフルスロットルします。

 どこか一か所でも切れればロープにぶら下がり続けることはできません。

 その、全身の一番弱いところが耐えられる時間が10秒です。

 下腹部にも当然影響が与えられていることでしょう。

 それからもう一つのアンイーブン・プッシュアップなのですが、これはちょっと珍しいエクササイズです。

 プッシュアップの名の通り腕立て伏せなのですけど、片方の手は地面ではなくて、ボールの上にのっけているという物です。

 これ、推奨されているのはバスケット・ボールで、私はメディシン・ボールやサッカーボールなどで規定の回数をこなしてきました。

 そこで次のステップに進んでしまっても良かったのですが、偶然見つけたのが100円ショップのグニグニのゴムボールです。

 これを使うと、弾力が低すぎて絶対に手のステイを固定できません。

 つまり、常にグニグニと不安定なまま、身体の中で力の流れを作って腕立てをすることになります。

 これがとても良い。

 中国武術の先生から、様々な種類の腕立て伏せの類を習ってきましたが、それらのコンセプトにも合致したすごいワークとなります。

 これをやると、腕立て伏せと言いながら実はメインで鍛えられるのは腕ではなくなります。

 なにしろ腕の土台が頼りにならないのですから。

 腕の補助として、腕と胴体が繋がっている場所である胸がまず総動員されることになります。

 これが胸の張りの原因でした。

 この訓練をしてゆくと、胸が腕になります。

 感覚的に、胸が腕の力瘤と同じ感じになるのです。そうなると雑に言うなら二馬力で腕が使える。

 こうして胸が腕になるということは、東洋の身体観でいうなら身体前面の任脈と対になる背中側の督脈にある肩甲骨周りもまた腕だということです。

 そして胸部全体が腕となり、左右の腕は繋がります。これを「通背」とか「通臂」と言います。

 左右の腕は一本の腕となり、同時に体幹となるのです。

 こうなると、この部分を支えるのがその下にある腹筋と背中です。

 腕が胸で身体と一体化したように、脚と下腹が一体化します。

 おへその下は足です。まだ二股に分かれる前なのですが、脚の源流なのです。

 こうして、縦に体が繋がり、全身が統一されます。

 これが外三合と言われる物です。

 こうなると、力瘤で腕を使っているのとはまったくくらべものにはなりません。

 これが出来る段階に至るには、やはり少しづつステップを踏んでパーツごとを作ってくる必要があります。

 しかし、その長く地味な月日を越えて、作ってきたパーツを組み合わせて全体として使えるようになると、すくないワークで全身がものすごい勢いで鍛えられます。

 腕立てしかしてないのに起きると腹筋バキバキという次第です。

 中国武術式の腕立て伏せを教えてくれた先生は、一度大けがをされた時に少し肉付きが良くなってしまったのですが、戻ったらすぐに自力で腹筋を鍛えてスタイルを取り戻しました。

 どうやったのかと訊くと、腕立て伏せだと言っていました。

 当時は不思議だなと思ったのですが、いまは分かります。

 ぶら下がり系の懸垂でも同じ効果が実感できます。

 この段階になれば、日々のトレーニングは極めて少ない時間で済みます。

 年齢を重ねて、体力が衰えていき、長い時間運動すると疲れてしまって日常に差し支えが出るということに対する有効な手立てにもなります。

 また、年齢が進むと代謝が落ちるので太りやすくなると言う人間の根本的な老化問題に対する手立てともなります。

 ほおっておけば脂肪がついて身体が重くなり、不健康で非力になってゆくだけのサイクルにある肉体を、力強く、軽く、均整の取れた物に維持することが出来ます。

 老化した肉体としていない肉体、どちらが自分を自由に人生を送りやすいかと言うと、やはり後者でしょう。

 長い期間は掛かりますが、短い時間で沢山の人生の自由な時間を作ることができる肉体改造、多くの皆さんに普遍的にお勧めしたいことです。


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