今回はまた、房中術のお話をしましょう。
房中術というのは、人間の根本的な生命力をどのようにして健全に働かせて、疲労や消耗、病気を避けて精力的に生きるか、ということを追求した気功となります。
この精力的という言葉、いまでは元々の意味が見失われがちですが、元々はこのように精という生命力の力が盛んに働いているということを意味しています。
ちょっと体育史や近代史に詳しい人達なら「精力善用」という言葉を思い浮かべるかもしれません。
これは日本人初のオリンピック委員、加納治五郎先生の言葉ですね。
明治時代に旧態依然としていた武術をスポーツに作り変えた人です。その先生が、スポーツと言う物の概念を日本に広めるにあたって、その意義を「精力善用」と称した訳です。
このように、明治までは精力と言う物が皮膚感覚として身近にあり、それを善用するということにキャッチーな価値があると見なされていた。
そしてこの「精」という物は、すなわち性の力です。
繁殖のための力。
私の大師は「セックス・パワー」と呼んでいたそうです。
これは、保健体育的な観点で考えると非常によくわかります。
生物というのは幼生で生まれて成長して繁殖可能な時期に至り、そして子孫を成すと言う風に身体が出来ています。
その、身体が成長をするという、大人になって衰えを感じるようになると信じられないようなものすごい生命力、それが精です。
すなわち、精とは繁殖の他に成長を意味するエネルギーでもあるのです。
ちょっと真面目な前置きになってしまいました。次回はある可愛い女の子のお話に向かいましょう。
彼女のことを書きたくてこの記事に手を付けたのです。
つづく