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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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精と火眼 続き

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 精と火眼についての記事の中で、玉面狐狸精について書きました。

 子供のころ、テレビで「ガンバの冒険」というアニメをやっていました。

 これに出てくるノロイというイタチが非常に怖かった。

 あまりに怖すぎて、彼の威容が描かれたエンディングを見ることができませんでした。

 これは同世代には共通のトラウマらしく「いまにして思うとノロイなんてフェレットだけどめちゃめちゃ怖かったよな」と言う人もいました。

 このノロイのイメージが、私の思う玉面狐狸精にはあるかもしれません。

 また、大好きなマンガ「うしおととら」に登場する親玉「白面の者」はおそらくこのノロイをモチーフにしているのだと思いますが、この「白面」はタオの伝説に出てくる「金毛玉面九尾の狐」の脚色であるようです。

 そして玉面狐狸精とは何かというと、この金毛玉面九尾の狐は玉面狐狸精の最大の物だと言えます。一周して話しがつながりました。

 この恐ろしい残酷なオルター・エゴを精の運用で用いるのが中国武術での打人の方法としてあるのですが、これ、フィリピンに最後の修行に行く前に私がここの記事で書いた「呪い」の初めの一歩でもあります。

 ノロイと呪いで繋がりました。

 この玉面狐狸精をある方法で用いて相手の中に送り込むのが「呪い」となるのですが、これ、おそらくは法輪気功で金華を得ていると顕現するものなのではないかと思い当たりました。

 金華とは、まさに第三の目の場所、神堂穴とその中にある松果体という部分が活性化すると感じられると思われる金色の光です。

 そこに精を用いて狐狸精のように意をもたらせば、まさに金毛玉面です。

 タオの古い考え方で表現されているからいかにも仙道、道教的なオカルトっぽい感じになりますが、現代人にとってはおそらく全然科学的な言葉に置き換えられそうな現象です。

 昔の人は松果体だニューロンだ自律神経だ共感性だという言葉を使わないから煙に巻かれてしまいますが、たぶんこれは人間の神経や生理について研究している医学者のヒトからすればだいぶ解析ができる物なのではないでしょうか。

 私も医師の友人たちにだいぶヒントをもらいました。

 おそらくはこれ、有名な気を放って相手の目をくらますという法に繋がる物なのでしょうが、そこに繋がる土台が基本の練功にちゃんと含まれている辺り、やはりきちんと体系付けられている伝統中国武術の「備わっている」ぶりに改めて驚かされます。

 それだけ初めから備わっていつつ、ほとんど人には教えない。

 自ら至れる者にしか授けないというのが伝統です。

 私は教えちゃう師父ですが、「呪い」に関しては伝える気はありません。

 さすがにあまりにも危険すぎる。

 上気を下げる気功を体得している人だとしても、これは精が非常に損なわれるのではないかと感じるのです。

 精は新陳代謝のエネルギーとなる、成長の力の気です。

 これが損なわれると、体は消耗するし、文字通り「精」神が乱れやすくなるように感じます。

 一部の極端なフィジカル・エリートのような人を除いて、恨みがましかったり妬みやコンプレックスが強い人の中に、いかにもフィジカルが乏しいタイプの人がいるような気がしたりしませんか?

 極端にやせ型であったり、小柄であったり。

 どこかの成長が欠けてしまっているような人が。

 あれは、精をそういった念に消耗してしまっているような気がするのです。

 また、一方でこれは特に女性に多いような気がするのですが、小柄なのに大変に元気が良い人がいます。

 私はそれを「重力の影響が少ないからだ」などと良く言ったりしますが、これはおそらく、物理的な体積への精の消費が少ないからなのではないかという気がするのです。

 後天の気と言って、人は体で受けた太陽の光や食べた食品から栄養を取ってそれで精を作るのですが、体で大きいからと言って沢山陽光から力を得られるかというとそんな気もしません。

 また、大人になってしまえば体の大小は、摂取する食事の量にさほど違いを与えないような気がします。

 私などは83キロもあるのに牛丼の並盛は食べきれないし、ネパール・カレー店でナンはお替りできません。

 なのに、150センチあるかないかの女の子たちが牛丼は中盛を平らげるしナンは必ず二枚食べる。

 これは私の周りに特別によく食べる人たちが集まっているということではないでしょう。

 それぞれが文字通りに精製できる精とその運用の効率の問題なのではないかと思うのです。

 そう言った意味で、わざわざ得る物の少ない「呪い」などを得ようとする危険を冒す必要はありません。

 ちゃんと美味しく食べて太陽を浴びて元気よく生きて健康な気分で過ごすことが何より大切です。

 攻撃性への欲求が薄れるほど、巨大な力の運用が与えられてゆくのですから、中国武術とは面白い物です。

 大変にタオの陰陽っぽい感じもします。

 まさに宗門の行であるゆえんではないでしょうか。

 少林寺の僧曰く「武を練るとは火を焚くがごとし。収めることを知らねば我とわが身を焼き尽くす」

 大切な精を目より燃やし尽くして、自らをむなしくしても詮無いことです。


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