先日、私の好きなLOVEちゃんのラジオ番組を聴いていたところ、この曲のカバー・バージョンが流れてきました。
https://www.youtube.com/watch?v=l04yM7-BWbg
カーティス・メイフィールドという人のPeople Get Readyという曲です。
LOVEちゃんは、この歌の歌詞を説明してくれました。
みんな、用意はいいか、電車が来る。
荷物は要らない、切符も要らない。
でも、自分のために保身のために世界中の人を傷つけても平気なヤツには席はないよ。
という意味だそうです。
この曲、60年代の公民権運動の時にヒットした物だそうです。
人々の価値観が変わろうとしているときに、ゴスペルの要素でこの曲を作り、歴史の転換を電車に例えたのでしょう。
ただ、ゴスペルの分、最終的によりどころは神になっています。
残念ですが、否黒人種、否アメリカ人の私には、プロテスタントの神に依っている限り、人種差別が無くなるようには思えません。
この曲が発表された65年以降、世の中はどうなってきたでしょう?
確かに、オバマ大統領という偉大な功績はありました。
しかし、いまはその揺り返しである南部の敬虔なクリスチャンによる人種差別政権がまかり通っています。
米中関係は緊迫しているように見えますが、専門家の意見によるとこれは大統領選を対象とした、バイデン候補への圧力だとのことです。
というのも、オバマ政権時代に中国との関係は良くなっていたのですが、その閣僚にはバイデンさんが居ました。
そこで「こんなに悪い中国をつけあがらせたのは誰だったと思う?」というキャンペーンをしている解釈です。
この曲の中にあるように、保身のために世界中の人間を傷つけて平気な人間と言うのは沢山います。
現代日本人には身につまされるべきことです。
世界は今、パラダイム・シフトの真っただ中にあります。
自分自身の感情、保身のために、世界中のすべてを傷つけて平気な人間には、どうか新しい世界に向かう列車の席が無いようにと個人的には思っています。
私のわがままな考えです。
悪人であろうと、果てしなく愚かな人間であろうと、同じように人権があり、好きなことをする自由があります。
それを確保するのが民主主義です。
もしもそれを否定したら、希望は神に祈ることの中にしかなくなってしまうのではないでしょうか。
世界の真実、人類の歴史、時を経てきた文化、そういう物を裏切り、破壊する人々も私の居る業界にはわらわらいます。
というか、頭数で言えばほとんどがそうです。
そういった人々がせめて、その同じ精神性で、世界中のすべての人をおりにつけ保身のための踏み台にしてゆかないように。
そんなことを思うと、つい神に祈りたくなってしまいますが、天に仁なし。老荘の徒である私はそう思い、自分自身で心を支えなければいけませんね。
ところで、この曲のことを思うにつけて日本のある名曲を思い出してきている人もいらっしゃるのではないでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=v1sJ9Pfm9qk
こちら、ザ・ブルー・ハーツの「青空」です。
この曲の冒頭で、騎兵隊がインディアンを打ち倒すのは、おそらく偶然ではないでしょう。
はじめから、カーティス・メイフィールドの曲へのオマージュとして作られたのだと思われます。
だからこそ「生まれたところや肌や目の色で、一体この僕のなにが分かるというのだろう」と公民権運動的なことを語り、「こんなはずじゃなかっただろ、歴史がぼくを問い詰める」と振り返っているのでしょう。
「運転手さんそのバスに、ぼくも乗っけてくれないか」と言うリリックがありますが、公民権運動とバスには深いつながりがあります。
これは、仕事帰りの黒人女性がバスの中にある席に座っていたところ、運転手から後から来た白人のために席をどくよう言われたところから始まる事件です。
この時代、人種隔離政策によって黒人種と白人種のバスの席は分けられて指定されていました。
しかし、白人のためにそこをあけるようにと運転手は言ったのです。
これを拒絶した黒人女性は逮捕。
これによって抗議のデモが起き、キング牧師らによってバスへのボイコットが起きました。
彼らデモ隊は、バスのコースを行進し、バス会社は黒人種が乗らなくなったことで損益が生じて対応を改めた、というのがこのバス・ボイコット事件です。
おそらくはこの曲の中でのバスはこのことを暗示しているのでしょう。
この事件に関して、ピート・シーガーさんという白人のフォーク・シンガーが曲を作りました。
https://www.youtube.com/watch?v=nXTUf7pS-jU
この方は非常に社会意識が高く、ベトナム戦争時代には反戦を主張していたりと、非常に思想的な音楽活動をされています。
1961年には、フリーダム・ライダーという運動が起きます。
かつてキング牧師の元で運動に参加していた少年が二十歳くらいになって、黒人は黒人用の席にしか座れないという法律に抗議するために、そのルールを無視してバスに乗って旅をするという運動です。
彼は白人の同志らと十数名でこの行動を始めるのですが、結果、途中でKKK率いる群衆にバスを燃やされ、暴行を受けます。
彼らは何度暴行を受けてもこの抗議運動を繰り返し、最終的にはそのことが世界で報道されるに至りました。
それによってアメリカの欺瞞が日の目にさらされることになり、当時の大統領であったジョン・F・ケネディは人種隔離政策の撤廃に出ることとなりました。
真実が世の中に伝えられたことによって、まかり通っていた悪が改正されるに至ったのです。
現在、世には沢山の嘘と愚かしさがあふれていて、混乱と憎悪をまき散らしています。
私は人間社会に絶望したから武術という真実と共に生きることにしました。
どうかすべての愚かしさに、真実と現実が蝕まれ尽くさないよう。
少なくとも私は最後まで、真実を裏切らないで居られるよう。
「神様に賄賂をおくり 天国へのパスポートをねだるなんて本気なのか?
誠実さの欠片もなく、笑っている奴がいるよ
隠している、その手を見せて見ろよ」
武術家が隠し持っている一手を見れば、その人が本物なのかどうか、どの正当な門を受け継いでいるのかが分かります。
昨今のたくさんの自称武術家、武術愛好家の手は、きっと自己流、創作の昨日今日作った新発明ばかりですね。