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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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武術家の視点から見るヘイトクライムと黄禍論 1・まずはサブカルチャーの視点から

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 現在、世界各国では紛争や弾圧が急を告げています。

 これは、COVIDによる危機で他国の介入が薄くなったところを狙っての政治的な強硬手段の激化であり、同時にCOVIDによる世界のパラダイム・シフト、来るニュー・ノーマルの世界での優位の確保を狙った政治的手段とみて間違いはありません。

 これまではPM2.5のダダ流しだった公害大国の中国が、SDG’sによる脱炭素化に向かってニュー・ノーマルが動き出した途端に先陣を切って電気駆動大国にリードをしはじめたことなどは、確実にニュー・ノーマル下での工業における立場を獲得するための政策でしょう。

 そのような中で、アメリカでは現在、アジア系へのヘイト・クライムが問題視されています。

 ヘイト・クライムから身を護るための団体、AWA(アジアン・ウィズ・アティチュード)などが迅速に対応活動をして、国内のアジア系の安全を高めようとしています。

 このAWAの活動に対しては、ブラック・ライヴズ・マターの団体が提携を申し出て協力して白人社会に立ち向かおう、という動きも見えているのですが、同時にBLMの活動家の中でもアジア人ヘイトの行動を取っている人たちも居て混乱を見せています。

 この中で根本的に動かず、両者に対して敵対性を保持しており、アジア系と黒人種の対立が強まると有利になるのが、白人優位主義です。

 極端に簡単に言うなら、トランプさんの支持者の人達です。

 日本では日本人なのに彼らと同調するJアノンの人たちが驚くほどたくさんいて、なんて馬鹿なのだろうとあきれ果てましたが、あの大統領選から半年もすればこの有様ですよ。

 白人優位主義者が黄色人種を如何に敵視しているかが見せつけられている。

 これでもまだ妄念にしがみつきたいJアノンの人たちは彼らを支持するのでしょうか?

 日本人は名誉白人扱いだから、などという惨めな飼い犬根性をどうしたら持つことができるのでしょう。

 そんな嘗めた対応に媚を売って赦してもらおうという卑屈な考え方が、THE日本人根性という気がします。

 何が彼らをそんなに惨めな存在にさせる?

 おそらくはこの窮屈な日本社会でしょう。

 この国の社会は、媚と虚勢が経済活動においてしめる割合が異常に高い。

 そのために、金と誇りを交換する生き方が当たり前になっている。

 アジア人としてのアイデンティティなどは捨てるのが当たり前で、三等白人として生きることが疑われることがない。

 私は十代くらいから割と周りにそういうことに対して「語られる」環境に居ました。

 バイカー時代は当然アメリカンに乗っていたのですが、その時も当然無自覚ではありませんでした。

 アメリカではバイクというのは白人優位主義者の趣味です。

 黒人種のバイカーと言うのはまずいない。

 アーリア人ブラザーフッドという白人優位主義組織がバイカーの一大組織となっています。

 その象徴が、いわゆるクロスとユリの紋章です。

 バイカー・ファッションとしてそれらをあしらったアクセサリーも沢山売っていますが、当然そんなものをブランド物だからとありがたがって付けるようなことはしません。

 なんでアジア人が白人優位主義なんだよ、と小ばかにして拒否してきました。

 音楽で言うならロックもしかり。

 黒人音楽を白人が模倣したという歴史を持つロックと言う物は、確かに白人種ならではの味が出るジャンルです。

 骨格による声の響き方があるのかもしれない。

 キリスト教的価値観の影響による壮大さも間違いなくあるでしょう。

 そのカウンターである、ヘヴィメタルもしかり。

 ヘビメタこそが白人優位主義の象徴であり、反キリスト、悪魔主義と言いながら、結局は白人内白人の世界言い換えに過ぎない。

 実際、昨年BLM運動によるデモが盛んだった折にあるメタル・バンドのメンバーが「ホワイト・パワー!」とライヴでアジって大問題になったそうです。

 ただのノリや表層的なパフォーマンスではありません。

 実際このバンドのメンバーはホワイト・ハウス襲撃に参加しています。

 日本人が思っているよりもずっと、ファッションではなくて本当に彼らは白人優位主義を真剣に保持しているのですよ。

 アメリカにおいて、白人種の数が減ってきてこのままでは数十年後、有権者の数で言えば四年ごにはもうその他の人種に数の上では負ける形になります。

 そのための最後の退陣戦として、いまここで白人優位主義者の最終決戦的反動行為が激化している訳です。

 近年、アメリカでもっとも売れていたポップ・ミュージックの座からロックが転落してヒップホップにとって代わられたというのはこのような世情を如実に反映していると言ってよいでしょう。

 そのような中で、何もわかっていない日本人がいつまでも「でも日本人は準白人種扱いだから……」などと情けないことを言っていることは、まったくもって無意味で無力です。

 今回のヘイトクライムにおいても、アメリカでは多くの黄色人種が「チャイニーズ・ウィルスのせいだ!」という言いがかりで暴力を振るわれています。

 しかし、報道される被害者は中華系ではありません。

 フィリピン系やタイ人などです。

 白人種には国籍の違いなど分かりません。

 ついでに言うなら国籍で言うと彼らの中にはアメリカ籍の人も沢山います。

 見た目で人種や国籍なんてわからいでしょう?

 日本人だって、アメリカにおける白人種がプロテスタントであるイギリス人やアメリカ白人なのか、それともカトリックのアイルランド系やイタリア人などの二級白人なのか、それともユダヤじんなのかインドのアーリア人なのか、見て分からないでしょう?

 それと同じです。

 どころか、曰くには白人種にとっては、東アジア人と西アジア人の区別がつかない人も多いのだといいます。

 つまり、インド人も日本人も区別がつかないのですよ。

 パキスタン人の血を引くフレディ・マーキュリーはパキと蔑称されて居たと言います。

 日本人とフレディ・マーキュリーの区別がつかないんですよ、彼等には!!

 これは日本人には非常にわかりづらいことです。

 私がアメリカに居た時にお世話になっていたお家には、日本人とのハーフの男の子がいて、彼はトム・クルーズみたいな顔をして大柄で筋肉質な子だったのですが、学校では「チャイニーズ」と呼ばれていたと言います。

 同じアジア人の血を持つ身からすると白人種の部分しか見えないのに。

 また、ケニア人と日本人のハーフのガール・フレンドと街で遊んでいた時には、同じクラブに居た白人種の男性から「君はハーフだろ」と彼女が言われたことがありました。

 アメリカ黒人じゃないんですよ。アフリカ直の血を引いてる、白人種の血が混じってない黒人種の子でさえ、白人種からはその違いが分かるらしいんです。

 そのくらいに、私たちと白人種では感覚が違う。

 私はアメリカに居た頃には「ヒスパニック?」と言われていましたし、当の南米に居る日本人はみんな「チーノ(中国人)」と呼ばれます。

 世界の誰にも、日本人が日本人になんて見えない。

 フィリピンの観光地ではそのために、日本人を割り出すために人ごみに向かって「ピカチュー!」「トモダチー!」「サクラギー!」と叫ぶ詐欺師たちが沢山います。

 サクラギは桜木花道のことでしょう。

 これらの言葉に反応した奴は中華系でもコリアンでもなくて日本人だからカモだ、という手口です。

 同じアジア人のフィリピン人にさえ、アジア人種間の区別はつかない。

 その上でさらに言うべき重大なことがあります。

 アジア系ヘイトの対象になったときに「待ってくれ、自分は日本人だ、準白人だ!」と言っても見逃してはもらえないのです。

 なぜなら、アジア系ヘイトの根本には日本人がかかわっており、中国人と並んで日本人は狙い撃ちの対象となっているのです。

 次回はそのお話から始めましょう。

 

 

                                                                       つづく


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