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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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フィリピン大統領選 1

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 先日、ルーマニア政治の専門家がラジオでお話をしていまして。

 チャウシェスク時代のルーマニア革命のことは、本当に強く覚えています。

 人が世の中を動かすと言うことの生の姿を始めてオンタイムでみた経験です。

 しかし、実はあの革命ではチャウシェスクの首は挿げ替えられたのですが、その下の人々を含めた社会構造は実はまったく変わっていなかったのだと聴きました。

 腐敗した汚職構造はその後も続いており、なんといまにまで至っているのだと言うのです。

 結果、現在のルーマニアではポピュリズムが大きな力を持つに至っているのだそうです。

 このお話をしてくれた先生は「トランプ、ボルソナロ、ドゥテルテなど世界中で共通する構造だ」と語っていたのですが、いや、ちょっとトランプさんはもしかしたら違うのではないかな、と私は感じたところでした。

 私は政治についてはまったくの門外漢なので素人が口を差しはさむのはおこがましいのですが、トランプさんのアメリカやボルソナロ大統領のブラジルなど、周辺国と較べて大国である国のポピュリズムと、ドゥテルテ大統領はだいぶ違うように思うのです。

 私が初めに言った頃のフィリピンは、そこらじゅうにストリート・チルドレンが居るし、野良犬はうろついており、国内に産業と言う産業はなく、学歴のある人はみんな海外に働きに行ってしまうのでより国内で産業が育たないと言う状態でした。

 それが、ドゥテルテさんによる汚職の廃絶や犯罪への苛烈な追求によって、本当に景色が変わりました。

 いまはストリート・チルドレンは探しても見つかりにくいですし、野良犬も同様です。

 街に転がっているゴミさえ少なくなった。

 現地の友人曰く「みんなドゥテルテが片付けた。ゴミが落ちていると処罰される」だそうです。

 建設ラッシュは加速し、良くも悪くも不動産バブルがすごい。

 少なくとも、国としての成長は確実にしているのです。

 これはアメリカやブラジルのようにすでに一定発展した大きな国の政治家とはちょっと違うように思います。

 私がフィリピンに修行に行く計画を立て始めた頃はまだ、警察がとにかくお金を取りに来るし、泥棒もみんなグルだからそれを理解して振舞えと忠告を受けていました。

 渡航少し前になると、当時ダーティ・ハリー知事と呼ばれていた人がそう言った警官や彼らとつるんでいる麻薬の売人をどんどん射殺するという人権問題が話題になってきました。

 直前には、私は大統領選出馬が話題になっていたそのダーティ・ハリー知事の私兵部隊である、ドゥテルテズ・スクワッドにスカウトされることになりました。

 もうそういう治安維持のための暴力のようなことにはうんざりしていましたので、そちらを断ってあくまで自力で民間の伝統武術を探索する旅に出たのですが、その時にはすでに汚職警官があらかた消失していて、警察と言う物を見つけることが出来ないと言うロボコップの世界のような国になっていました。

 自治体に雇われた私兵たちが警官に変わって治安維持にあたっている状態です。

 ドゥテルテ大統領と言うのは、そういう、トランプさんやボルソナロさんよりももっと古い時代の大将であるように思います。

 自らも拳銃を握って犯罪者を銃殺していたと公言しているように、先進国の価値観とはまったく別物の世の中をいわば治めている人のように思います。

 トランプさんはホワイト・ハウスが襲撃された時に隠れましたけど、ドゥテルテさんは軍閥を率いて自ら銃撃をしているタイプの人なんですね。

 これを一緒くたにするのはジャイアントスネ夫を一緒にするような物だという気がしますし、ポピュリズムとかそういう問題では無いのではないかと言う気がします。


                                                                       つづく


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