ネットでね、ネタ画像として出回っている物に、某コンビニエンス・ストア商品の上げ底やカサマシ写真があります。
年を経るごとにどんどん量が減って行っている、実質値上げなのです。
一方で、某牛丼チェーンさんでも肉質を落として値段を上げると言う公示がニュースとなりました。
これらの食品だけでなく、いくつかの大手製菓会社が出している袋菓子も、どんどん量が減っている傾向にあります。
なぜこういうことになってしまうのでしょうか。
こういう因果を探るのがタオや仏法の思考であり、その思考を学ぶのが私たちが武術と言う行をする理由です。
これまでもずっとそういう活動をしてきて、その途中経過を常にこちらで発信してきているのですが、過去に「ノマド・ランド」と言う半ドキュメンタリー映画をご紹介しました。
この映画が冒頭に書いた食品実質値上げ問題の答えなのです。
あの映画では、収穫祭から年始と言う、アメリカ全体での消費の三分の一が動くと言う経済が最も活性化するシーズンに、季節労働をする老人達の姿が描かれていました。
前の記事でも書いた通り、映画の中では主人公の女性は元教師のホームレスです。
家や低住所を持たず、自動車でアメリカ中をさすらいながら季節労働をすると言う人で、こういう人たちがノマドと言われています。
当然、彼らの行うような季節労働と言うのは、ホームレスやメキシコ人労働者がするような、アメリカ社会では「底辺」の仕事です。
そうでなければホームレスも脱却できていることでしょう。
要は、アメリカ国内で住所を持てるような労働ではない。
そのようないわゆる底辺労働によって、アメリカの物流やアグリカルチャーと言うのは成り立っているのですね。
その、アメリカの労働の最低賃金というのが、いま日本円で約時給1600円だそうです。
単純比較はできませんが、私を含めた多くの日本人労働者より時給が高い。
その金額では、あの国ではまともに暮らせないのですね。
元々アメリカでは都市部の家賃が高く、だからこそルームメイトのような制度があったのですが、90年代以降の、ここでも取り上げてきたヤング・ホームレス問題で賃金をきちんと上げようと言う政策が施行されていって、いまはそこまで時給が上がっているのですね。
でも、土地価格はそれを追い越すほどに値上がりしているので、それでは自力で屋根のある所に暮らすことは難しい。
これまでも取り上げてきた、いくつものアメリカの映画に出てくる、黒人種の貧民層やまとも生活できてないスケート・ボーダーのような人たちは、みんな狭い家にぎゅうぎゅうに暮らして居たりするのですが、みんな私たちよりお金持ちなんですよ。
私の好きなある映画では、人類を滅ぼそうとする堕天使が最後には敗北してホームレスになって通りすがりの出勤者に暖かい飲み物を恵まれるシーンで終わります。
その施しをした女性に、連れの男性が「彼にはいつも優しくしてるね」と言うと、その女性は「彼、昔は天使だったんですって」と言ってこの映画は幕を引きます。
悪を犯してもっとも惨めな身に堕とされると言う罰を食らった姿が描かれていますが、彼、私より時給高いんですよ。
いまね、東京都の最低賃金が千数十円。
北海道と沖縄ではまだ800円台です。
これは、この記事が発表される頃にはまた賃上げがされる頃かもしれませんが、執筆との間には二週間以上ラグがあるので少なくとも書いている今はその値段だと解釈してください。
北海道や沖縄の最低賃金は、ほとんどアメリカの最低賃金の半分のような物ですね。
日本の最低賃金は今や韓国にも抜かれています。
私は韓国の映画も時々観ます。残念ながら流行のポップな作品ではなく、多くはハードボイルド的な物です。
そういう作品にはまぁ犯人と言う物が出てくるのですけれど、やはりこれが閉塞的な社会や高圧的な父親や上司、過酷な生活環境と言った要素が犯行動機になっているのですね。
これはフィクションの世界だけではなくて、実際に韓国での猟奇犯罪や性犯罪というのはものすごいことになっていると言います。
私が韓国の女性と付き合っていた頃だから、十年ほど前かな? そのくらいの頃に、すでにそのことは聴いていましたが、その後もこの傾向はどんどん加速しています。
二人で一緒によくクラビングをしていたのですが、韓国のクラブは日本のほど安全な場所ではないと彼女は言っていました。
当時、私が好きだった韓国のアーティストも、その後、経営するクラブが犯罪の温床になっていたことが発覚して逮捕されました。
この、社会不満の圧が高まり続けていて、どんどん治安が悪化している韓国ですら、すでに解決方向への努力として労働者への賃金を上げてゆき、日本を抜いたんですね。
韓国って、安く美味しい物が食べられるとか言って週末旅行で行く処だと思ってた人も多いでしょう?
もう向こうの方が金銭的には上なんですよ。
こういうことが、コンビニやチェーン店の食べ物が値上げされて行く理由です。
つまり、外国との賃金格差を活用して値段を抑えていた物が、もう抑えられなくなってきているのですね。
これまで日本のオフショア国としていた国々との経済格差が変わってきてるんですよ。
このままでいくとどうかるかと言うと、前から書いてきた「日本は外国のオフショア国になるよ」という未来が待っているのです。
つづく