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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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良い年の取り方 1

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 最近、産業革命以降の世界の変遷と、世界的感染症の蔓延による現在のパラダイム・シフトに直面している中で、世代間の分断と言う物に触れる機会が非常に増えています。

 この世代差が、これまで世の中に問題を残してきた人々と、それを負うことになり回復をさせてゆく人たちとの間の物であるというのは当然のことです。

 もちろんいまだに「発展は老人たちが頑張ってきてくれたからだろう」という人たちは沢山います。

 そうです。

 戦争は発明の母と言いますが、利権を意図して世界大戦を二度も引き起こしたから、北半球の科学は圧倒的に発展した。

 いつも書くように、第一次世界大戦が始まったときはまだ騎士同士の対決をしていたのに、半ばからは毒ガス兵器が使用されるようになった。

 大量破壊兵器が当たり前の世界に我々を発展させました。

 産業革命によって羽の色が黒くなった蝶という写真を、我々の多くは社会の教科書で目にしたはずです。

 あの時に、それが持つ意味をもっと知るべきだったのではないでしょうか。

 二度目の世界大戦では、我々人類が地球そのものを破壊しうる力を手に入れました。

 それが発展ということです。

 確かに生活は便利になったし、私などはもうその便利さや衛生環境がなければ生きてゆけないのは間違いがありません。

 しかし、20世紀までは人類は地球を破壊する力など無くても生き延びてこれたのですよ。

 この記事をドロップするころまでにまだ人類がその力を発揮していないかはわかりませんが(今朝も某国からの飛来物が日本の排他的経済水域に向けられて発射されたというニュースがありましたが)、たとえそのような瞬発的な威力を発揮しなくても、環境破壊によって確実に人類は地球を破壊しつづけていますね。

 火を焚いたらそれを管理し、しかるべき時には後始末をしなければいけません。

 これはプロメテウスが人類に火を与えた直後に我々が学んだことのはずです。

 明らかに管理を怠った火の始末を、若い世代がしなければいけないのは必然です。

 発展させた側がへまをしたことを謝ることはあれ、胸を張るようなことはないのではないでしょうか。

 功績は功績として、きちんと知識と経験を引き渡して後進に協力してほしい物です。

 こと、現代の日本の老人たちは政治家諸氏を見るまでもなく極めて劣悪な人間性を露呈しているように感じます。

 心理的発達は環境の影響が大きいとのことで、間違いなく戦後の愚民化政策が抜群の威力を発揮した結果だとみております。

 彼等戦後世代、ベビー・ブーマーに精神的な物が欠落しがちなのはまた、このところ書いている「悲劇の共有」をしていないからだということも大きな要因でしょう。

 あるいは愚民化教育において、意図的にそうデザインしたのかもしれない。

 本来、過去の大規模な殺戮の経験は各国において共有され、それによって交戦域は共通の文化をシェア出来るはずでした。

 しかし、現実を見ないことによって悲劇の共有を回避した戦後世代は戦前の軍国日本の気風をそのままに受け継ぎ、諸外国の人々を見下し、決して共有の経験を持つ同胞とみなすことはありませんでした。

 通常は戦争、大規模な殺戮が行われて悲劇が共有されれば、そこに新しい認識が敷かれて線引きのやりなおしが行われるはずなのです。

 中華圏がなぜ中華圏という認識を持ったのか、あるいは欧米圏がなぜ欧米圏という区分を持ったのか。

 それはこの悲劇の共有が繰り返し行われて同じ社会を共有する者だという同族意識がアップデートされてきたからでしょう。

 しかし、日本はまったく戦前と変わらない。

 侵略したフィリピンや韓国、中国の人々をずっと下に見下してきました。

 バブルの頃はただ金と言う卑賎の価値基準だけでそれをしてきた。

 現在、経済や高等教育レベルで韓国に抜かれてもいまだに彼らを見下しています。

 完全に現実と認識が乖離しており、そこには集団的ナルシシズムしかありません。

 対して、その旧弊の世代とは対照的に、若い世代は世界で活躍するアジア人のロールモデルとして韓国から沢山の物を学んでいるように見られます。

 それらは皮膚感覚としての物で、単純に味覚としてであったりファッションやエンターテインメントしてであったりします。

 それは同時に、無意識のうちにであったとしてもアジア人が英語圏に行った時の言葉の話し方や立ち振る舞いの仕方に如実に影響を与えているはずです。

 そういった民間レベルでの習慣として、ここにも一つ大きな分断がある。

 上の世代は他のアジア諸国の人々に対して、侮辱したり差別をしたり、あるいは買春を行ったりとするばかりで、何かを学ぶと言う態度を得ることがあまりに乏しかった。

 だから三十年もの間、国際社会において経済的になんの成長もしてこなかったのでしょう。

 ジジイども……いいとこねぇなあ……。

 こうなってくると、ちょうど老人たちと若者の中間にいる我々は年を取ることに希望を見出すことが難しくなってきます。

 良いロールモデルを身近に得ている人はとても少ないのではないでしょうか。

 

                                                                      つづく


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