中国武術の実戦の歴史 一・白鶴拳
これまで、中国武術の本道は思想の体現であると言うこと書き続けてきました。 天人合一や無為自然、中和や内外合一に至るための行であり、勝敗や強弱は脇道であると繰り返してきました。 その上で、歴史的には騎馬民族や海賊との闘争の歴史があり、また村落間の闘争における自衛の術でもあったということも書いてきました。...
View Article中国武術の実戦の歴史 二・ウチとソト
前回書いた、中国武術の実戦「械闘」ですが、これを書くにはまず、中国における「身内」の概念について書くのが分かりやすいかと思われます。 というのも、械闘というのは間違いなく、身内とソトとの闘争のことだからです。 外部民族の襲来については非常にわかりやすい。これは元々、相手が騎馬民族やよそからきた海賊で、間違いなくアウトサイダーだからです。...
View Article中国武術の実戦の歴史 三・家系
前回は北部における械闘を具体例にあげましたので、今回は南方にも目を向けてみましょう。 〇家拳と名のついた武術は南方では客家拳に多い。 あるいは、〇家教とも称するそうですが、いずれ八極拳や劈卦拳のようにその門の趣旨を名前に関した物ではなく、明確に「ウチ」を名前に着けているところが非常に械闘的です。 客家と言うのは元々、北方に居た漢民族の内、騎馬民族に襲撃を受けて南方に避難した人々です。...
View Article中国武術の実戦の歴史 四・中国の実戦
中国各地で行われていた「械闘」の単位としての調練組織について前回は書きましたが、今回は、ではその組織の母体となっていた集団とは何か、について触れたいと思います。 宗教や革命思想を持つ集団については先に述べましたが、より解体が出来るのです。 家系武術という言葉を何度か使ってまいりましたが、この家というのがポイントです。 中国では、古代から宗族という概念がありました。...
View Article中国武術の実戦の歴史 五・械闘組織
前回、中国での実戦という物の概念について書きましたが、これは中華と言う巨大な地域に及ぶ長大な歴史において培われてきた物です。 先に劉備の例を出しましたが、中華の歴史そのものがこの宗族制度と械闘によって作られて来たといってもいいかもしれません。 よく、中国人は政治を信頼せずに身内のコネクションを土台として生きていると言いますが、それがまさにこれです。...
View Article中国武術の実戦の歴史 六・中華文明の深くに
中国の歴史は械闘の歴史だと言っても良いと言うことを前回書きました。 おそらくは、そういった械闘組織の中で現在最も知られている最大勢力は、中国共産党でしょう。 彼らは当時、ソビエトからマルクス思想を布教された思想結社でした。 運営資金はソビエトから受けていると言う、国家転覆の革命結社です。...
View Article中国武術の実戦の歴史 付録
以上、械闘という切り口から中国社会の歴史を語ってきましたが、識者が語るにはこれが分かるか否かで中国への理解は極めて変わってくると言うことです。 皆さんの中には、武漢でCOVIDが閉鎖されたときに、境界線辺りに出た関刀などで武装した人たちが出現したと言うニュースを目にされた方もおられるかもしれません。 新型コロナウイルス対策!中国農民が「銃や刀で武装」して自ら道路封鎖!...
View Article白鶴拳と五祖拳
少し前に、白鶴拳の手解きについて独特だと書きました。 そしてその独特さは体系全体に行き渡って見られるとも書きました。 一方、五祖拳は五祖の名の由来である五つの門派の一つに白鶴拳を冠しており、大枠で言うなら鶴拳類に当てはまる武術であろうにもかかわらず、明らかに白鶴拳とは内運の違いがあります。...
View Articleロコ
ただ今、松の内にてこの記述をしております。 執筆や事務はするのですが、私にとっては本ねん最初の休日といっても良い日です。 私はテレビそのものを観ないのでタレントさんについては殆ど知らないのですが、歌手の人たちに関してはラジオから歌声やトークで接することがあります。 おととしのいまごろ、皆さんはまだ瑛人くんという歌手について話題にしていました。...
View Article悲劇の共有
最近、ちょっとだけ困ったことが起きています。 というのも、散々ここに書いてきたような伝統思想の視線からの現代社会への解析なのですが、これと内容的にほぼ同様なことを昔から知られている社会学者の先生が言われているということです。 私は社会学に関してまったく無知ですし、その有名先生も伝統思想の行者ではない物でしょう。 しかし、どうも私たちの視点の「手触り」のような物が非常に似ているように思ったのです。...
View Article悲
前の記事で有名社会学者の先生のことを取り上げ、悲しみの共有と言うお話について書きました。 悲しみの共有について私は、西部劇マンガの「RED」で書かれていたのはこういうことか、ということを書いたのですが、同様のことに関して、史実の戊辰戦争について語っている本を読んだことがあったのを思い出しました。...
View Article良い年の取り方 1
最近、産業革命以降の世界の変遷と、世界的感染症の蔓延による現在のパラダイム・シフトに直面している中で、世代間の分断と言う物に触れる機会が非常に増えています。 この世代差が、これまで世の中に問題を残してきた人々と、それを負うことになり回復をさせてゆく人たちとの間の物であるというのは当然のことです。 もちろんいまだに「発展は老人たちが頑張ってきてくれたからだろう」という人たちは沢山います。...
View Article良い年の取り方 2
先日ね、ラジオで過去の名パーソナリティが新春特別番組を放送していました。 すでに70前後の二人のパーソナリティによる放送だったのですが、そのうちの一人はお昼のトーク番組で有名な、まぁ、毒にも薬にもならないような司会で知られている人です。...
View Article年月
良い年の取り方をするためには、歳をとる前からよく生きることが必要なのでしょう。 私も中年期にあって、いまをどのように生きるかということに重要さを見出しています。 また、これまで書いてきた色々な人のタオに則った生き方を自分の身に照らし合わせることもしきりです。 最近、ご病気をしていたある作家の方が無事に退院されたと言うお話を聴きました。...
View ArticleAge Z Hero
大人気アメコミヒーローの映画を観ました。 私はアメコミ映画極寒の時代からのファンで、テレ朝で1と2が編集されて一本として放送されたフラッシュも、ダサいレッド・スカルが出てくる(原作に忠実ともいう)キャプテン・アメリカも、アン・リー版のハルクもオンタイムで観ていました。 あっちと違う方のアヴェンジャーズも観ています。 ですので、アメコミ映画が市民権を得ている今日には本当に隔世の観があります。...
View Article身体的ポピュリズム
最近、ちょっときっかけがあって、武術関係の古本の著者について調べてみました。 そうしたら、識者のように語っている人たちがまったく古武術の継承者ではないことが非常に多いことに驚かされました。 なんだこれ。 軍事経験者とか海外のボディワークの有資格者とか、外部の人達ばっか。 そういう外の権威に褒められることで古武術ブームと言う物がなりたっていたのだなということが分かって、改めてがっくり来ました。...
View Articleブーマーたちの典型病弊
ちょっとね、こういう記事がありまして。50代で浮かび上がってくる承認欲求のヤバさtogetter.com 正月明けに、「50代くらいになると何をやっても褒められなくて、不安になり、承認欲求をこじらせる人が多い」というtogetterを発見した。 本当だろうか?だとしたら世知辛い世の中だ、大変ですね、でも自分も無関係とは言えないな、などとblogos.com いや、途方にくれたお話です。...
View Article盛者必衰
昔から、平家物語と言う物が一体どのようなニーズで消費されていたのかが良く分かりませんでした。 あの有名な冒頭の後「最近では清盛ってのがちょづいてたけどしくじったね」と言う導入から始まりますが、その清盛も前半で死亡。...
View Article大人の世界と若者の世界
前の記事で、俗悪の世を創り出してきた大人たちとそこに生まれた子供たちについて触れました。 今回お話するのもそれと似た構造の世の中に関することです。 こちらのリンクをご覧ください。 世界の若者の半分以上は「人類の未来は絶望的」と感じている【調査結果】 | ハフポスト (huffingtonpost.jp)...
View Article妬心
https://www.newsweekjapan.jp/stories/lifestyle/2022/01/post-97752.php?fbclid=IwAR2q2rx3ZW_cLmE-AtK1_mq3hJhXFFV8toNhVUKflqaqDYp_QYqvKZ8ST-k 今回インスパイアされたのはこの記事です。“怒りとねたみは、ナルシストに強く表れる感情です。”ということが書かれています。...
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