少し前に、白鶴拳の手解きについて独特だと書きました。
そしてその独特さは体系全体に行き渡って見られるとも書きました。
一方、五祖拳は五祖の名の由来である五つの門派の一つに白鶴拳を冠しており、大枠で言うなら鶴拳類に当てはまる武術であろうにもかかわらず、明らかに白鶴拳とは内運の違いがあります。
外動だけ見て判断すれば、確かに似たような立ち方のほぼ変わらない手法を用いる同類の武術に見えるのでしょうが、本質的なところに大きな違いがあります。
当然戦法論についてもだいぶ違っているように感じます。
鶴拳類、鶴法と言うと相手と手を触れあって戦うというコンセプトが通底しているように思われますが、この橋法(手法)すら実はかなり違います。
というのも、五祖拳はとにかく擒字訣、すなわち相手を掴みます。
鷹の爪、もしくは鶴の爪のように獲物を捕まえておいて捕食します。
対して、白鶴拳では掴まない。
はたいて裁いていなしては、ぬるぬると入り込んで打ってゆきます。
打ち方もぬるぬるしています。
五祖拳の打ち方はまったく違う。
老師から教わったのですが、五祖拳の打法の元にあるのは太祖拳だと言います。
太祖化鶴、太祖拳が鶴拳になったという意味の拳諺がありますが、五祖拳はまさにこの通り。