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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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古い規範に囚われる人々

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 まぁ私は、武術、伝統武術というような世界の人間である訳です。

 そうなるとね、SNSでやYOUTUBEでそういう内容を発信したりする訳ですね。

 となると、そこに関連付けられた広告やレコメンドという物が来ます。

 以前から、どうして私のところには一度も読んだことの無いロリコンマンガ(あえて古い言い方)やジャンル自体まったく触れたことの無いゲームの広告が出るのか謎だったのですが、特に検索履歴などから判別できる特徴がない人のところには、大多数に紐づけられている告知が自動的にゆくという仕様だそうですね。

 つまりは、私のような特徴が一般化しにくい男性と言うのは、きっとPCやスマホでマンガやゲームを消費するだろう、ということなのでしょう。

 残念ですがその一般化には私はまったく該当しませんでした。

 一方で、武術関係の方ではお勧め動画なんかがくるのでこちらはあながち的を射ていない訳ではないのですが、私は自分が直接老師や師父から教わっている内容には自分事として関心があっても、オタクではないので他流に興味がない。

 ですので結果的にはこちらのお勧めも無駄になっています。

 普通に自分が観たい物が画面にレコメンドされていると助かるのですが、中々うまく行きません。

 今回は、そういう一般化とレコメンドのお話です。

 私のところにくる、的外れなレコメンドの1ジャンルに、女性が武術をしている類の動画があります。

 どうやら世の中にはそういうのを観ると生殖器がガチンガチンになってしまう変態、もしくは自分のジャンルで自分より下位に女性が入ってくるとガチンガチんになってしまうショボ野郎どもが沢山いるようなのですが、いやはや情けない話です。

 これこそが、現代社会、男性優位社会や差別社会の歪みそのものではないですか。

 いやいやそういうことではない、これは女性の自由や楽しさを表現したコンテンツなのだ、という声もあるかもしれません。

 そうかもしれません。

 しかし、やはりそれを消費する層にはどうしようも無い凡庸さがあって、そのような小人、大衆を当て込んだコンテンツであることには変わりないと思われます。

 その一例として私が上げたいのが、このような会話です。

A「はい、本日のゲストはモデルのBさんでーす。いやー、スタイル抜群ですね、やっぱり食べる物には気を使っているんですか?」

B「私、すっごい食べるんですよ。恥ずかしいんですけど」

A「えー、信じられない、ほそーい! ジムとか行くんですかー?」

B「ジムは行かないんですけど、結構身体を動かす趣味が好きで、お休みの日はバイクでオフロードを走ったり、キックボクシングに通ったりしてます」

A「えー、かっこいーい」

 この手の会話を耳にするたびに、その判で押したような凡庸さにげんなりして、この国への不安が高まります。

 端から端まで偏見だらけの会話なのですが、特にひどいのが最後のターン。

 要するに、女の人が男のやるようなことをやっていると「かっこいい」のだというステロタイプです。

 女性のくわえたばこがかっこいい、仕事でパワハラし放題で出世するのがかっこいい、大酒食らって暴言はくのがかっこいい、これ、そういう考え方の延長ですよね。

 凡庸で偏見に囚われているというのは、要するに洗脳されているということです。

 いつも言っていることですが、これは社会に洗脳されている、という意味です。

 女の人が男みたいなことするのって型破りだしかっこいいじゃん、と思うような気の毒な人がさぞ多いのだと思うのですが、これは結構に洗脳の根が深い。

 女でありながらおっさんになることがかっこいいという考えの根底には、明らかに女性が下で男性が上位であるという硬直した価値観がありますよね?

 そういう考え方が、おっさんたちの権威の土台になっているとは考えられませんか?

「よしなさいよ、おっさんじゃないんだから、恥ずかしい」と、おっさんであるということを醜くかっこ悪いことだと否定して、違う生き方を模索することからしか、いまの社会の権威構造は変えようがないのでは?

 それには、各自が自分の思う「かっこいい」をもっと本気で見つけないとならないのではないでしょうか。

 少なくとも、おっさんのやることがいいと思ううちは確実におっさんに力を与え続けることになる。

 跪いておっさんの尻を舐める卑屈な追従者以外の物にはなりようがない。

 これは女性達に対してもそう思いますし、おっさん化する女性にオギンオギンに発情するやすっぽちい男たちにも言いたいところです。

 自分たちが思うかっこいいに対してもっと本気を出さないと、世の中はまったく良い方向には変わらないのではないでしょうか。

 私はまぁまぎれもなくおっさんで、しかも徒弟性の伝統文化の中で師と呼ばれる立場にあり、髯を生やしていて体は90キロ近く、筋肉量は平均値の三倍以上、常人の全体重くらいあるという、むくつけきおっさんです。

 しかしこれは、重力によって地に落ちるようにして、なるべくしてなった結果であって、おっさんになりたくておっさんになったわけではありません。

 バカな若造は経年劣化で自動的におっさんになるという自然の摂理の結果です。

 その宿命の中でどうにか受け身を取り、落ち方を選択した結果としていま、こういうタイプのおっさんですが、別にそうならないでよい人がなるようなもんじゃない。

 こういう押し出しの強い、ガタイのでかいおっさんになることが良いことなのだという価値観は、早々にこの世の中から排除すべきものであるように思います。

 そんなものを権威の象徴としてみてしまうことは、まさしく現政権の思う壺でしかないでしょう。

 我々はもう、これ以上、要らない壺を売りつけられないようにしないと。

 よく考えて目を覚ましていきましょう。

 考え方が心もとない人は、まずは沢山本を読むところから始めてみましょう。


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