Quantcast
Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3388

身体哲学から観たシン・仮面ライダー あるいは体臭とコミュ障について 1

$
0
0

 また、映画を観てまいりました。

 いつも通り平日朝の初回。観客総数は15人未満くらいでした。

 見て来た作品が、シン・仮面ライダーです。

 どうもあまり良くない前評判を聴いていたので心配していたのですが、結果心配は必要なくて、私は非常に面白く最後まで観劇できました。

 ゴジラ、ウルトラマンと続くシン・シリーズは政治色が強いと言う印象があったのですが、今回の作品はその要素が殆ど見える形では描かれません。

 物語の縦軸は極めてシンプルに、政府の特務機関に雇われて悪の結社ショッカー対策特別機関の隊員となった、ショッカーの改造人間である仮面ライダーと、彼をライダーに改造してショッカーから脱出させた博士の娘とによる、勇猛なマン・ハント作品となっています。

 そういう意味ではキル・ビルを彷彿させるところもあると言えましょう。実際、黄色と黒のカラーリングのハチ女との対決は、いつ「ヤッチマイナー!」と叫ぶんだろうと思うくらいでした。

 もっと言うと、今回の流れは「面クリア型」で、ショッカーの怪人の数そのものが少なくて五人くらい。

 その居場所を竹野内豊演じる政府の特務機関の役人が調査してリークしてくるんで、一人づつそれらのところを訪ねていってはやっつける、ということの繰り返しで話が進みます。

 そういう意味では本当に単純なお話になりかねないのですが、これはテレビシリーズでの毎回一人の怪人を倒すと言う作りをなぞっているのですかね。

 これを単純に見せないのは、ターミネーター2のような逃亡劇からの反撃という話運びにしてあることと、やはりテーマ性による興味の引き方なのではないかと感じました。

 ここからが私の記事に繋がる話となってきます。

 というのは、今回のお話、実は物凄く私が普段書いているようなお話なのです。

 ネタバレしますのでお嫌な方はここで退避を願います。

 今回のライダーや怪人たちと言うのは、生命であるプラーナ(この作品では意訳してただの生命力ではなく魂魄のような人格までを含んでいる)を改造して動物の本能と融合させた存在ということになっています。

 ヨガと気功なんですよ。

 で、なぜそんな風にプラーナを改造して動物と融合させたかと言うと、その計画そのものが、人類を幸せにするためにAIが算出したコンセプトだということになっています。

 そこでAIが、最大多数の人間の最大多数の幸福の追求と言う、私も信条としている功利主義を選択しなかった、と作中で明言されています。

 そうではなくて、もっとも不幸な絶望した人間の救済を模索することが人類を幸福にする物だ、というのが今回のAIがだした結論だと言うことになっていて、そのためにプラーナを活性化させて、そこに動物の本能、元神を付け加えることで自らの欲求のままに幸福追求をするようにしたのが改造人間だと言うことになっています。

 

                                               つづく

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 3388

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>