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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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筋と腱 1

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 我々の蔡李佛拳では、発勁を行う時に、体内にある「線」と呼ばれる物を重視します。

 この線を、鉄でできた物であるように武気功で練り上げるのですが、これを鉄線功と言います。

 蔡李佛拳の大元は洪拳で、この鉄線功、鉄線勁はその時代から受け継がれて来た物です。

 この功に関しては南派武術の特徴だともみなされているようで、南派は怖いとか、南派は力強い、と呼ばれる理由だと言う先生も居ました。

 私がタイに修行に行ったきっかけの一つは、この「線」について深くを知りたかったからです。

 体内に仮想の線、エネルギー、ラインを想定するという考え方は、インドから伝わってきました。

 これがタイなどを経て、中国にも伝わったそうです。

 中国の考えでは、十二経脈という物が有名です。

 そういった物が、果たして中華以西の仏教ではどう伝わっているかを確かめに行ったのですが、これは結果としては挫折という場所に着地しました。

 タイにおける線、現地の言葉でも「セン」というのですが、これは大きな物が十くらい。しかし、細かい物を合わせると数千、数万だとも言われていて、とても私の限られた時間の中では学ぶことも覚えることも出来ません。

 そして、それくらいにくまなく線が走っていれば、いずれかで中国の経脈ともかぶりえるので、もしそうなったとしても、果たしてそれがルーツなのかどうかを判別することは難しいでしょう。

 ですので、私の中では鉄線功で使う線と言うのは、いくつかの大ざっぱな力の構造を走るシンプルな物だとして現状解釈をしているにとどまっているのですが、この線というのは言葉でいうとなんなのか、ということを以前に師父が教えてくれました。

 それはずばり「腱」だというのです。

 師父自体は大師から習ったときには、線ではなく腱と言われて教わったというのです。

 しかし、師父自体中国医学を職業とされているのですが、その知識と照らし合わせた時に、この大師から伝承された腱と人体における腱というものが一致しないことに気付いて、私の代からは腱という言葉を使わずに教えるようになったそうです。

  

                                               つづく


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