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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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東南アジア武術の地獄

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 先日、ツイッター改めXにおいて、某東南アジア武術の偽物流派への批判がポストされたと話題に上がっているのを目にしました。

 なぜか私の目の届く範囲の人々は、それに関して口を拭い、触れないようにしようという発言をしていて、そのポスト自体をリポストはしていませんでした。

 そこで特定はできないのですが、これかな? と思う物を観てみたところ、まぁさほどのことも書いていません。

 私が普段書いているような、どいつもこいつも偽物ばかりだということが書かれているだけです。

 いまさらそんなことにどんなリアクションが? と思って他の投稿も観ていたところ、もしかしたら批判の当事者かもしれないと思うような投稿がありました。

 お世辞にも上手ではない練習風景を投稿していて、以前から私が危険視していた「女の子が武術をしてると話題になる」傾向そのもののタイプの投稿者であるようでした。

 正直、何をそれくらいで何をいまさら、というところなのですが、彼女の投稿は少し目を引きました。

 まず一つ目なのですが、どうやら彼女の元に「変な動画を投稿するな」というようなメッセージがたくさん届いているようなことが書いてありました。

 これはいただけません。

 どれだけ下手でもしょぼくても、それを上げるのはやる側の権利です。SNSってそういう物でしょう。それに対し「上げるな」などと言う権利は誰にもない。

 明らかに間違った連中が間違ったことをしているように思いました。

 そんなことを言ったら練習中の動画は誰も上げられなくなってしまう。

 誰でも最初は初心者です。

 不思議なのは、少し前までは同様のへたくそな女の子がよろよろやっているのを喜んでみていた何かいやらしい感じのする気持ちの悪いおっさんたちが沢山いたはずなのに、どうして急にこのように潮目が変わったのかということです。

 そこがSNSにうとい私には分からない。

 かといってゴリゴリに渋い本物のおっさん伝統武術家ブームが来たのかと言うとそんなことはない。私は相変わらず誰にも見られておらず、リポストされるのは偽物おじさんたちが多い。

 流行が、女の子から、おじさんに変わった……?

 もう一つ目を引いたのは、その女性投稿者が「そんなこと言うんだったら自分たちが動画を挙げて自分たちの流派を広めろ。そうじゃないヤツには社会的信用が置けない」というようなことを主張していたことです。

 こちらこそが私にとっては物凄く大きなポイントでした。

 もしこの文言が無ければ「いつものことか」と思って取り上げはしなかったでしょう。

 この書き込みは、非常に可哀そうな物です。

 いま、パラダイム・シフトによってどうにか世界が良い方向にゆくために変えようとしている価値観そのものです。

 一つ目の、もっとも初歩的な論理で言うなら「自分のことを悪いというのだったらお前もやれ」というのは、極めて幼稚な論理です。

 盗人を咎めた者に対して「ホントはお前も欲しいんだろ? だったらお前も盗めばいいじゃないか」という、根本的にまったく倫理観が存在していない考えが投稿者の人間性にあるということが読み取れて、こんなことを恥部だと思わず平気で人目に晒せてしまうあたり、自分が恥ずかしい価値観の持ち主なのだということさえ理解していないのだと思って衝撃でした。

 その倫理観の不在を土台にここから見て取れるのは、いま(2023年9月現在)これだけ社会的に問題になっている、関東大震災後の大量虐殺隠蔽と言う歴史修正主義の問題、大手芸能事務所社長による長期間にわたる連続大量性的暴行事件や、権威主義政権による勝利水放出強行とそれによる隣国からの経済制裁によって多くの労働者が深刻な収入源を被っている問題、また明らかに赤字目測の元でなぜか大阪府から国に責任が譲渡された万博の強行開催問題とまったく同じ構造です。

 不正や歪みがあるならそれを訂正すればそれで収まるというそれだけのことを、文句があるならお前もやれという感じにどんどん他を巻き込んで全体を腐敗させてゆこうという動きは、まさにこれら全てに共通したこの国がいま深刻に向き合うべき社会風土および民度の問題ではありませんか。

 こういう、腐りきった大衆一人一人が群体となって腐った全体を形成しているのだということが明白に見て取れる案件です。

 問題の当事者が腐敗しているのと同時に、多くの周辺が声を挙げず保身に走っています。

「他の団体に気を使ってリポストしませんでした」とか「一度いいねを推したのですが他団体の批判になるかと思って取り消しました」というような有象無象共を目にしました。

 これ以上はないような、見事なまでの忖度根性です。

 これ、虐殺は無かったと言ってる人たちや、大量性的暴行を知りながら消費してきた業界の人々と一体なにが違うのでしょう。

 もっというなら、目の前で無辜の人が殺されているのに見て見ぬふりをしてきた人々と変わりない。

 それは加担をしているということです。

 この延長に、虐殺を侵す心理がある。

 どいつもこいつも日和ってばかりで情けない。

 そういう腐敗にずぶずぶなくせに、何が武術家だ。情けない。

 偽物が武術だなどと名乗なら、それは当然こういうことになるでしょう。

 初めから詐称している詐欺師なのだから。

 倫理観などは期待できない。

 私は十年も前からずっと繰り返しています。

 この業界、大半は偽物で嘘ばかりだと。

 そういうことに迎合している連中が、今回目に見える形であぶり出されたということでしょう。

 彼らは恐らく、偽物以上の何物にもならないまま人生を終えるのでしょう。

 なぜそのような人生を選んだのかはわかりません。

 過酷な社会に挫折したのか、初めからまともな心や教育を得ることが出来なかったからなのか。

 あるいはただ理解力が低くて何が問われているのかを読み取れなかっただけなのかもしれません。

 だとしたら修行が足りていない。

 いずれにせよ、もしもそのまま改めることが出来ずに人生のタイムリミットが来たとしたならどうなるでしょう。

 おそらくは彼らの墓を観た時には、その生き方を観てきた人の心の中には「偽物として生き、偽物として死んだ偽物ここに眠る」という事実が浮かび上がらずにはおられないのではないでしょうか。

 それとも、そんな心の中まで改竄するほどに彼らの病巣は深いのでしょうか。

 一体何のために彼らは自分を貶めるような自称「武術」をしているのでしょうか。

 そうせざるを得ないほど、その人生はモルヒネを必要としているのか。

 モルヒネは、病人が用いる薬物です。


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