さて、ここの記事はいつも、伝統的なアジアの人体観という物を縦軸として、伝統武術の継承者であり、気功をし、中国医学などを研究している筆者の立場から、伝統思想や現代人の姿について所見を書いてなどいます。
東洋的な哲学などの視線で人体を見ると言うと、極めてプリミティヴな徳と罰による現世利益論に至ってしまったり、またもう一歩踏み込むなら前世の因果というような考え方に陥ってしまう部分もあります。
というのも、東洋的には身体と精神は一体のものであると言う霊肉一如の姿勢をとることが多いためです。
これは、肉体を下に見て精神を上に見ると言うキリスト教圏の考え方とは大いに異なる部分となります。
以前、私が少林寺から受け継いだ仏法の修行をしているということを知ったロシア美女から「私はもっと高級なことをしている」と言われて仏教の話を説いたことは以前に書きました。
まぁ、これがいかにもロシアだし、正教の国、という感じがします。
レヴィ=ストロース先生が、キリスト教圏の人々に対して「そういう見方をしているお前たちが本当の野蛮人なんだぞ」と説いたことのまんまの対応です。
信仰が発生してからずいぶん時代も経ちまして、現在では医学的に、精神と言うのは肉体から発されている神経内の電気やホルモンによって形成されていると言う見方もメジャーになってきました。
精神科でも治療のために物理的にホルモンや化学薬品を投与します。
つまり、霊肉一如が科学的に一般化されてきていると言ってよいでしょう。
そういう意味で言うなら、俗に言うスピリチュアルなんて物が文字通り西洋圏での概念に則った物であり、それよりもむしろ「フィットネス」という概念の方が私たちのスタンスに近いと思われます。
そのフィットネスの切り口からのアプローチもこれまで色々してきました。
ただ、東洋的な修行には常に偏差と言う物が伴うように、その角度からのフィットネス的修行にも、偏差、魔境が伴います。
魔境と言うのは間違った悟りのことです。
最近では、ステロイドに関して書いたりしました。
その時には、ステロイドの副作用としてはホルモンバランスが崩れると言うことを書きました。
上に書いたように、精神と言うのはホルモンのバランスによって保たれています。
ですので、ステロイドを使うと精神のバランスが崩れると言う説はあるのですが、その時はそこには触れませんでした。
ステロイドによる精神の不安定症状であるロイドレイジについてはいまだ諸説があるからです。
ですので引き続きステロイド業界については観察を続けていましたが、最近また大量のステロイド疑惑が出てきました。
つづく