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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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五祖拳の奥

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 思えば、心意拳類の伝播ルートの一つとして研究しようと思って始めた五祖拳も、気づけば随分奥の方まで来たような気がします。

 もちろん、もっともっと奥がふかーくあるのでしょうが、いま老師から教わっている套路は名前もこれまでの物とは違って雅号のような物になっており、明らかにこれまでとは違うフェイズに居るように感じています。

 ここに至るまでには、まず有名な三戦から始まりました。

 福建鶴法全般に伝わっていて、三戦に生き三戦に死ぬと言われる重要な拳です。

 それを含めて、基本の四套路があり、それぞれに違ったコンセプトが感じられます。

 そういった多角的な広がりとは別に、三戦系で幾つも段階のような套路があります。

 その中で、現状最後に教わったのは三戦十字という物なのですが、これがあんまり三戦ぽくない。

 三戦ぽいところもあるのですが、それほどです。むしろ、それ以外の套路に近い要素が多いので、もしかしたら、そちらの系列に繋がる套路なのかもしれません。

 そして、双綏という套路があります。

 これはもしかしたら、中級くらいの物なのかもしれません。

 その後に、雅な名前の二つの套路の段階に至りました。

 おそらくこれは対になっている物であるようです。

 前に習った物は鶴法の入り方、橋法を重視した物であるだと教わりました。

 いま教わっている方は、用勁の套路だと教わっています。

 この二つに入った段階で、套路のヴァイブスがだいぶ変わったように思われます。

 三戦系は直線的で直接的なのですが、これらは物凄く柔らかくなったように感じられます。

 ことに後者の方は、太極拳のようにやっても良いのだと指導を受けました。 

 大変に柔らかく勁を用いないと、正しく行うことが出来ない非常に難しい套路です。

 静かで柔らかく、かつ中身がある物が好きな私には非常に心安らぐ套路です。

 なんなら一生、この二つをずっと練りたいくらいの感さえあります。

 とはいえ、私にはやることが沢山あります。

 せっかく先生方が与えて下さった沢山の物を活かして、それぞれを比較、検討して人類史に残る記録としてきちんと保存してゆくのが自分の人生の役割だと思っています。

 五祖拳も南北の武術の違いのみならず、同じ南派短拳の中の、白眉拳や龍形拳との違いも明確にして保存してゆきたい。

 とりあえず、この柔らかく行える五祖拳の套路は、形意拳の虎撲、馬形、鼉形と言った特徴的な招式が頻出しています。

 これが何か繋がっている物なのか、それとも棍などを扱う時の当時の定番手段なのか、またこれからよく学んで検討してゆきたいところです。


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