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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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「関心領域」と「ユニコーン・ウォーズ」3

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 さて、連続で観た二本の映画のあらすじを書いてきましたが、この二作品はつながっていますね。

 関心領域の中で燃やされ続けていたユダヤの人々のうち、生き延びた人たちがパレスチナに植民してイスラエルとなりました。

 そこで先住していたパレスチナ人を虐殺して土地を奪うということをナクバと言います。

 イスラエル側の発表としては「元々パレスチナの地は古代は我々の民族が追放された聖地だった」のでこれを取り戻すのが正当だとされます。

 この考え方のことを彼らの聖書にある地名、シオンの丘にちなんでシオニズムと言います。

 シオニズムに賛同する国のことをシオニズム国家と言います。

 大虐殺への保証でユダヤ系の人々に移住先を世話したドイツなどはこれに相当します。

 ですので現在、ドイツではパレスチナの虐殺に反対するデモを行うと、武装警官隊によって暴力を振るわれるという事件が起きています。

 とても民主主義国家で起きていることとは言えない状況ですし、もっというと法治国家のすることですらない。

 なんの不法活動もしていないデモに対して違法な暴力を振るうのですから。

「ユニコーン・ウォーズ」では、テディベアたちは自分たちは楽園から追放された民族だと言う開祖伝説を持っています。

 しかし実際にはそんな宗教を信じているわけではなく、あくまでプロパガンダのために利用しているだけです。

 ですが、この政治的欺瞞が愚民化教育となり、極め付きの愚民に届いた時に、そこから原理主義が現れて自壊が始まります。

 愚民は自分の感情を救うことしか考えていない。

 世の中のことや政治的展開のことはおろか、初歩的な倫理や公正さも持ち合わせていません。

 結果、彼らの教義は暴走してプロパガンダを利用していた人々とその構造を破壊し尽くしてしまう。

 これ、一体何が悪かったのかがまったくわからない。

 まず、愚民化教育が危険だというのは間違いがありません。

 しかし、反抗者となったのは生まれつき邪悪な人間でした。

 邪悪というパーソナリティ障害を持った人間に対して、人は一体何が出来るのでしょうか?

 こういうときに、性悪説があれば教育によって改善が期待出来るということがありえるのかもしれません。

 ですが愚民化教育が施されていて、馬鹿なものをおだててより馬鹿なものにして利用しようという社会であった結果崩壊につながってしまった。

 これとまったく同じ構造が、いまの日本にも観られます。

 大衆に自浄作用を与えないようにした結果、取り返しがつかないまでに国力が低下してしまっています。

 これが自壊ではなくてなんだと言えるでしょう。

 政権与党が自分たちの利益だけを確保しようと愚民化政策のプロパガンダを熱心に続けて来た結果、彼らの予想以上に馬鹿な大衆の中から「天皇家はサヨク」などと言い出すネトウヨが現れ始めています。

 中には生粋の右翼団体を指してサヨク呼ばわりする物もおりました。

 自ら物を学ぶことのできない人間のバカさかげんは底が抜けている。

 ただそれが、生来の要因からくるものであったなら……?

 やはり、大網を投げて大量の愚民を作り出そうとするような危険行為は回避して、可能な限りの自浄作用を持った「まっとうな大人」を再生産してゆける社会を形成してくるべきだったのではないでしょうか。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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