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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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五行掌

 白鶴拳の発勁についてなど、書いたりもしましたが、あくまでこの段階でのお話ですので、確定した物だとは決して受け止めないでくださいね。 その前提の上で書きますけれども、いまの理解の段階に至る前までは、この発勁が全然理解が出来ていませんでした。 老師の動きを見ると、自分がこれまでやってきたタイプの物とは違うことだけは分かるのですけれども、どういうものだかわかりませんでした。...

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自己を手放す

 対面練習をしていて感じるのは、速く動こうとするとみんな速く動くということです。 何を当たり前のことをと思われるかもしれませんが、いやいや、これが違うのです。 速く動くというのは結果であって、速く動こうとした結果ではありません。 西洋体育では速く動けばよいのでしょうが、アジア武術ではそうではない。 ではどうするのかというと、本能のままに任せます。 これが中国武術で言う「還元」です。...

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現実を観る

 SNS全盛の今の世の中、偽物武術が横行していて、真正な中国武術を伝える人はこの国では数えるほどしか存在していません。 そのために、そもそも中国武術とはなんなのかということがまったく伝わらなくなっています。 私がこうして十年も発信を続けているのはそのためです。 唯物主義の中国政府が、見た目の点数を競う表演武術を創作してこれを国力を持って普及させているのも大きな要因でしょう。...

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「関心領域」と「ユニコーン・ウォーズ」1

数年ぶりに、映画を二本続けて観てしまいました。 間隔は10分というスケジュール。クレイジー……。 まず朝イチの回で観たのは「関心領域」これはもう、絶対に観ないと行けない作品だと思いましたが、現代日本人の関心領域に極めて入り込んでいないためか、回数が極めて少なくなっていたので急いで見に行きました。 この映画、原題もまったく同じで、真っ向から人間の関心の領域をテーマにしている。...

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「関心領域」と「ユニコーン・ウォーズ」2

もう一本観た映画は「ユニコーン・ウォーズ」。 これ、よく知らないんだけどなんか、ちいかわみたいな気持ち悪いけど可愛いみたいな言われ方をするキャラクターばかりが出てくるスペインのアニメ映画です。 でね、タイトルロゴの字体が昔のユーロ・テクノのアルバムジャケとかによく出てくる字体なんだよね。 このタイプのセンス、私がずっと嫌いなやつ。...

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「関心領域」と「ユニコーン・ウォーズ」3

 さて、連続で観た二本の映画のあらすじを書いてきましたが、この二作品はつながっていますね。 関心領域の中で燃やされ続けていたユダヤの人々のうち、生き延びた人たちがパレスチナに植民してイスラエルとなりました。 そこで先住していたパレスチナ人を虐殺して土地を奪うということをナクバと言います。...

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中国武術家らしいこと

 先日の対面練習時に、ウォーミング・アップをして素振りをはじめた生徒さんが具合が悪くなってしまいました。 心窩部辺りを押さえて苦しそうにしていたので、久しぶりの練習だし無理があったのかもしれないので本日はそれまでにして、少し休んでから帰った方がいいということになりました。 少し具合が整うまでの間、気功の施術を試みてみました。...

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暗腿痛い

 先日の練習で、話が出たので少し暗腿の練習をしました。 これは隠された蹴りを意味する言葉で、中国武術の全ての歩法にはこの暗腿が含まれているというのはよく知られた話です。 この概念は、キックボクシングや空手のような現代格闘技の視点からすると少し難しいかもしれません。 フットワークしながら攻撃をするというのは格闘技的には当たり前のことだからです。 しかし、中国武術ではそうではありません。...

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マッドマックスと形式主義の末路 1

 70年代から続いている人気シリーズ、マッドマックスの最新作、フュリオサを観てまいりました。 シリーズと書きましたがこれ、非常に特殊な繋がり方をしています。 というのも、一作目はインディーズ映画のような物で、それ以降の作品とはまったく違うのですね。 いわばターミネーター・シリーズのような物です。 一作目はホラー映画として作られているのです。...

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マッドマックスと形式主義の末路 2

 マッドマックスの二作目に影響を受けて作られたのが北斗の拳だということは有名です。 文明レベルが退行すると、様々なことがエピック化して王や神話の世界になってゆくということはそちらでも描かれています。 また、2では前作では孤独な主人公が悲惨な人生を送るというムードだったのが一変して、子供や女性戦士、お調子者を含んだパーティを組んで活躍をしており、正統派の冒険映画になっていました。...

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マッドマックスと形式主義の末路 3

 まず初めに、いつもの苦言から言いますが、マッドマックスのフューリー・ロードはほとんど理解されていない作品です。 単にライド映画として消費されただけで、一体何が描かれていたのかが観客に理解されていたとは思い難い。 もちろん、それだけ無理解な観客が熱狂したのには、きちんと仕込まれた理由があって、その理由を読み解くことが=作品を読み解くということになっているタイプの作品です。...

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マッドマックスと形式主義の末路 4

 ディマンティスのところに誘拐されたフュリオサは、そこでリトルDと呼ばれて彼の義理の娘のように扱われます。 彼の目的は、フュリオサが知っている緑豊かな土地の場所をいつか聞き出すことと、もう一つ、文字通りの搾取です。 作中で、ディマンティスがドッグフードと人間の血で作ったソーセージを食べるシーンがあるのですが、その後でフュリオサが「血を抜かれてるから顔色が悪い」と言われるシーンがあるんですね。...

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マッドマックスと形式主義の末路 5

 イモータン・ジョーとフュリオサの関係については書きましたが、イモータン・ジョーとディマンティスの関係についてはどのようなものになっているでしょう。 彼らは同じくパターナリズムの枠にくくれると言えるのですが、ディマティスには一切の威厳がありません。 彼はこの大災害で家族を失い、未来を見失い、世界になんの救いも見いだせない存在として描かれています。...

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マッドマックスと形式主義の末路 6

 さて、前回までで概ねの神話構造については書いてきました。 今回は、キャンベル教授の独自の解釈である、聖書も政治利用によって矮小化されて宗教になったが、本来は神話であった、という観点から少しおまけのお話をしましょう。 マッドマックス・シリーズはそこからスタートしないと解釈しがたい構造になっているからです。 今回の作中、フュリオサは二度奈落に引き込まれかけます。...

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マッドマックスと形式主義の末路 7

 前回はウジ虫と桃に関して日本神話からの解釈をしましたが、そのお話の前にマッド・マックスは聖書の神話解釈を下敷きとしていると繰り返し書いてきました。 聖書圏の解釈で言うなら、ウジ虫とはまた別の意味を持ちます。 元々、ユダヤ教、そしてキリスト教が発展する前、彼の地ではバァル信仰というものがありました。 これはハエの神だとも言われています。...

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マッドマックスと形式主義の末路 8

 フュリオサのような存在のことを英雄というと書きましたが、キャンベル神話学に置いては英雄には明確な条件付があります。 それは「英雄の旅」と言われるイニシエーションを経て「行って帰る」という結果に至ることです。 そのために、英雄譚のことを「行きて帰りし物語」などと言うわけですが、これはどういうことかというとこういうことです。 まず、人は生育環境から影響を受けて子供時代を過ごします。...

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マッドマックスと形式主義の末路 9

 通過儀礼をまともにこなせば、規格化された社会人となります。 日本社会で言えばサラリーマンでしょう。 これをこなせず通過儀礼の過程にとどまればカルトのシャーマンになります。 お役人や学校の先生ですね。 まぁ、どちらにしても面白いという訳ではありません。 キャンベル神話学における一番面白い、通過儀礼の例外者は、英雄です。 英雄とはなにか。 通過儀礼で、行って帰った者のことです。...

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都知事選について

 前回までの記事で、フュリオサを引き合いに英雄神話について書きました。 通過儀礼を経て行きて帰った者のことを英雄と言い、それを私達東洋の身体的修行の世界では「自己の確立」と言います。 様々な外部の影響の中で、自分を確立したということです。 こうして原点の自分をさらに強い自分にさせたものが英雄です。 そして、この物語の典型ってコナン・ザ・グレート(映画版一作目)なんですよね。...

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太平天国と神話学

 前回までの記事で、通過儀礼を通り過ぎることなくその場に留まった者をシャーマンと言うということを書きましたが、これね、私達鴻勝蔡李佛とは実は関係深いお話です。 というのも、私達の武術は太平天国の乱における調練のために用いられた物です。 この太平天国の乱、科挙に落第を続けた書生の洪秀全が頭がおかしくなってしまい「俺はキリストの弟だ。神の世界を作るんだ」と言い出してはじめた反乱であるからです。...

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プロレスも体育系ももう断絶だ!

 もう、プロレスとは絶縁だ!! 私は身体がデカい方です。 またその中でも、身体の調整をする専門家にも「完全にプロレスラーの身体ですねえ」と言われるくらい、タイプとしてそちら側のルックスをしています。 ですので、プロレスラー的なかっこよさにファッションやイメージを合わせてゆくことが多かったのです。 プロレスラーはかっこいい。 そう思っていました。 しかし。 あの都知事選でのアイツらのざまときたら。...

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