本日は、新春初一人稽古をいたしました。
近所の公園で、套路を二回打ちました。
えぇ、二回だけです。
基本套路を一回、上級套路を一回。それだけ。
それを、本気で打ちました。
快(速い)で打ったわけではありません。
ただしっかりと、一つ一つ、内側の勁の働きの正確さを意識して撃ちました。
それを二回で終了。
私も古武術時代には除夜の鐘に合わせて数稽古などして年またぎをしたりしたものですが、いまやそんなことはいたしません。
本気で套路を打つと、打ち方によっては一日に一回で充分、という説があります。
これを知らなかった頃の私は何度も本気で打ちまくっていました。
結果、内側が虚脱状態になっていて、他門で師父をする友人たちに「それは寿命を縮めるからやってはいけないことだ」と注意されました。
師父にそのことを問うと「早死にするかもしれない」と言われました。
いやぁ……早く言ってくださいよと思いました。
内勁を伴う套路はマジ打ちすると消耗が激しいので、一日一回もすれば十分。
これは、間違ったやり方をして骨格や脳、神経に負担がかかると言うような膀門のやり方の理由とは違います。
正しいやり方では、純粋に内側の力を使って疲れさせてはそれを回復させて強くするというサイクルのため、やりすぎると単純に披露してしまうのです。
昔話や武侠小説のエピソードでは、名人が複数の強敵に囲まれて、腕では勝っていたのですが途中で内力が尽きて立ったまま死んでしまったというような話があります。
これもまた、偏差の一つです。
私自身も、このような失敗を何度もして今に至っています。
そんな訳で、なんでも根性でやりたくなってしまう日本人は要注意です。
それよりも、正しく。たった一度のチャンスを完璧に味わい尽くすことが大切です。