先日、都内のワークショップでいつも来てくれてる参加者の方とお会いしたのですが、この方、最初にあったときは大変に痩せていました。
しかし、去年くらいからどんどん体つきががっしりしてきています。
鍛えているのだろうなあと誰もが見てわかる体つきです。
それも、私の目から見ると、いわゆるフィットネス的な外から肉を盛りつけたような身体ではなくて内側から張り出してきたように見えるタイプです。
これは感覚的なことのようなのですが、実は武術的にみると重要な違いです。
中国の伝統武術家を見ると、だいたい3パターンくらいの体型をしています。
表演武術の選手はみんな体操選手らしいしゅっとしたフィギュアスケーター風のイケメンなのですが、伝統武術の人たちは結構な確率で、なんというかずんぐりむっくりしています。あとはカニ体型か、奇跡の細マッチョか……。
私はずんぐりむっくりのタイプをロボコン体型とよく言うのですが、これは肚の発達が分かりやすく可視化されているのではないかと思います。
この、内側から張り出てきている、というのは伝統中国武術の勁の性質とも共通することです。
その参加者の方に聞いてみれば、私がお伝えした武気功をしてからこうなったとのことです。
驚きました。
効果てきめん。
気功の力で体を作り変えるというのが、中国武術において非常に重要なことです。
基本、外からか内からかの違いはあれど、肉体を改造するということが中国武術の基本思想です。
この場合は内側から改造をしたのですが、こうなると潜在能力が非常に大きく発揮されます。
その方いわく、もともとは私がお会いした時よりももっと痩せていたとのことだそうで、そう考えればものすごい勢いで肉体の眠っていた能力が表に雪崩出てきているのだと思われます。
成長ホルモンの分泌を促すような効果も気功にはあるのでしょうね。人によっては非常に短期間で目に見えるものだと驚きました。
一般に、フィットネスは健康法として知られています。
気功で肉体改造も同様です。
今回のように、元が痩せている人が大きくなったとすると、そこで働いている力はかなり純化された勁になりやすいです。
これはすごい。
うごけばすべて発勁です。
それを使いこなすのが中国武術の動きの部分になります。
動きだけ覚えても勁がなければ、内勁を重視した武術は無意味になります(もちろん、内側ではない、外側の動きで作った勁を重視した武術もあるのでしょう)。
日本ではどうも、この内側の育成がおろそかにされたまま外側の動きが先行してきたように思います。
私たちの武術からすれば、内側こそが大切であり、それを作る練功法こそが極意です。
だからこそ、心根の良くない人やいい加減なやり方しか期待できない人には簡単には渡せない。
やり方が悪いと、偏差が起きてかえって体を損なう可能性があるためです。
今回の方の場合はかなり良い結果になっているようですので、引き続き内功をメインに練功をしていきたいなあと思います。