今回の湘南クラスは、またカンフーとアルニスを一体としてやるというコンセプトで行いました。
これはアルニスだけや功夫だけに分けていない湘南クラスでの特典です。
まずは室内であると言う利点を最大に生かしてこの夏の日にも安心して気功瞑想を行うことが出来ました。
外で行うときは日陰で行うのですが、そうすると今度は虫と鳥の糞という罠が存在する場合があります。その心配がない。ありがとう、室内。
瞑想から引き続きで内臓の気功に入ったのですが、これもまた気の運用だけならただ健康に良い一方、内臓の勁を運用させると内側が使われて結構疲労します。
私とスタジオの会長は座ったまま汗だくとなってしまいました。内力を使うので消耗しすぎると危険です。
そのあとで、少し内勁の運用の体験をしてから、カンフーの基本の五輪馬という足さばきの練功に入りました。
これは洪門武術の物で、洪拳でも行う練習法です。
つまり、これがきちんとできると洪門拳士として「どやぁ」と功夫を見せつけることの出来るというものです。逆なら中身が知れてしまう。
これはしんどいので私は口を出すだけ。皆さんはびっしょり疲れてくださってました。
一休みの後は、この馬にてアルニスに入ります。
ラプンティ・アルニスは蔡李佛カンフーから足さばきを取り入れています。五輪馬を存分に活用して、ドセ・マノスから行いました。
高い姿勢だとエスクリマのベテランの方が当然上手にできるのですが、ラプンティらしい馬を用いると、途端に手の動きがガタガタになるのだが全身の調和という物の勉強になって面白かったです。
足をやれば手が、手をやれば頭がと何かを違うアプローチでやるごとに動きの滑らかさは阻害されるものです。それを体感してゆくのが練習の面白いところでもあります。
引き続き馬を重視してサムブラダやプーニョ・サムブラダという定番の練習を行い、最後は疑似的なスパーリングであるタピタピです。
この辺りになるともう汗だくです。
疲れてくるとどうしてもやることが雑になってくるのが人間というものです。
基礎が崩れてしまうと、タピタピでの成功に至るのが難しくなって余計に振り回されて疲れていってしまう。
それを防ぐには冷静に抑制された動きできちんと防御を行い、防御足迎撃であるヴァーティカル・ブロックの極意を体得するのが肝心となります。
どうやらこれはコルテ(接近戦)のエスクリマの特性らしく、敵の攻撃をひきつけてぎりぎりのところで受け流すからこそそのまま反撃につながると言う構造が成立します。
その時の微妙な前腕の遣いの要領などをおさらいすると、明らかに勝率が変わるのもまた面白いところでした。
きちんと体系付けられた個性的な武術は、全部が一貫してよくまとまっています。
そしてこの、タイトなブロックを攻防一体の物として身体ごと相手を制圧にゆくというスタイルは、蔡李佛の全身を鉄球として相手を轢きつぶしてゆくスタイルにも共通するものです。
この両者の融合を味わえるのは、我々のクラブのだいご味ですね。