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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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9月10日 東京練習会の感想 

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 先日の東京練習会では、新しくカンフー班に入られた方がおられたので、それも含めて中国武術色を強めに行いました。

 うちでは良くやる、みんな大好き推し研(推し飛ばす研究)の時間を設けて、暗の勁での推を行ったのですが、ここまでにしっかり基本功と内功の練習をしたので、各自しっかり進捗がありました。 

 大切なのは内側の勁を使って、体重や力を使わないことです。

 体重を使ったり力を用いるのは日常生活での癖なので、普通はいきなり行うのは難しいものです。

 そこで、きちんと力の代わりに頼りになる勁の感覚をあらかじめ作っておいて、のち、力が使えない姿勢からやってもらいます。

 するとこれが意外にうまくゆくのです。

 自然な状態から始めると、どうしても力が入れやすい状態から初めてしまいますので、これは勁の練習としてはマイナスとなります。

 しかし、力が入りにくい姿勢を強要すれば勁を使うしかないので仕方ありません。

 日本の柔術などではこのあたりの考え方がまた逆で、相手が力が出しにくい状態、自分は力が使いやすい状態というのを作っておいて技を掛けあうと習いましたが、純粋に勁を使う武術ではこの考え方をしてはいけません。

 相手を崩してはいけない。崩さないまま打ちます。

 たった一手の正面からのシンプルな一撃。これが中国武術の正道です。

 この力の入らない状態からの推は十分に効果が見られました。

 なので今度はより一歩進めて、離れたところからトンと触っただけで発勁をする練習に。

 これをすると今度は無意識に力の入るやり方をしてしまう癖が人間はありますので、実に誘惑の多いものです。

 そこ参考になればと昔の名人の話をしました。

 ずいぶん前に聞いた話なのでうろおぼえなのですが、まだ太極拳が腕比べを盛んにしていて強さで知られていた時代、腕無し名人と言われた人が居たそうです。

 この人はやはり良い先生について修行をしていた物の拙力が抜けずに勁を体得できなくて苦しんでいたそうなのですが、ある時、両腕が無くなった夢を見て悟るところがあり、特に勁の強さで知られる名人になったそうです。

 このころの太極拳はまだグニャグニャと崩しを重視した物になりきってはおらず、しっかりと作った身体でしっかりと作った相手を正面から勁で打つタイプのものです。

 つまり、まだ少林拳の名残が強かった時代と言えるでしょう。

 夢を見たわけではないのですが、私自身も内功の修行を積んでいるうちに同じ経験を何度もしました。

 寝ている間に気功をしているため、目覚めた時に両腕の力が抜けきっていて起きてからまったく動かせないのです。

 大きなおもりがそこにぶら下がっている感覚があるばかりで、身体も重く、寝返りを打つことも立つこともできません。

 その状態のまま、寝起きの静功をして運気を巡らせてから一日を始める、というのが習慣だったころもあります。

 両腕は無いが如く、身体は墓石の如く。と聞きました。

 この話の効果があったのか、離れての発勁の萌芽が練習中に見られたことはとてもうれしく思えました。

 現在、遠方より通ってくださっている方も、この眠っている間の練功によって腕や体が重くなっている経験をしているようです。

 この放鬆は進捗過程においてとても重要なものではないかと感じます。

 今後の皆さんの功が非常に楽しみです。


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