さて、タピタピ祭終わりました。
それまではいまいち基本の動きも出来なかった人も、そこを越えることをやっていると自然にみんな出来るようになっていくというのは、私の十七年の経験でもなんども見てきたものです。人間の不思議。
同じく単体でやると結構考えこんでしまって上手く出来ない棒を使った投げや関節技も、流れの中でやっていくと存外にかかるようになっていったりします。
というのも、これは固定して掛かるものというよりも、力の流れの中でそこに落とし込まれるというようなニュアンスがある気がするのです。
彼我の力のベクトルが合わさって融合すると、別の方向へのベクトルが生まれます。確か理科の授業でやりましたね。
そのベクトルに乗っかることで自分一人の力とはまた別のより大きな力が生まれて技が掛かる、というようなことが密着戦ではあるのだと思うのです。
これはお相撲のような感じと言えばわかりやすいでしょうか。
私の場合は功夫で培った定力と整勁があるので、組み合いになるとそれを発揮して人を投げることが比較的しやすい部分があります。
しかし、長いこと日本武術や現代武道などで棒を扱うものをやっていても、棒で相手を投げ飛ばす技というのはどうしても掴めませんでした。
ですが功夫の棍をやってから棒を通して勁を用いるということを理解できて、そのままアルニスに用いることが出来るようになりました。
私が柔術で習った、空気投げと呼んでる技群があるのですが、エスクリマにもこれがあって割と多用します。
やり方がだいぶおおざっぱでワイルドにはなっているのですが、基本的には同じものです。
これを棒を使って行うと、アルニスらしい棒での投げや関節技の基本に通じる物があります。
ここが分かると、ぱっと見は複雑でどうやったらいいのか分からない技でも、みなさん自由な攻防の中でかけられるようになりました。
いっぱしの棒遣い感があります。
限られた長さと形の物を使って、こんなにいろいろなことが出来るのだなあと思うと、何かやはり、人間の創造性のような物を感じることが出来ました。
さぁ、皆さん、レッツ・タピタピ!