エスクリマのマノマノには、カンフーの影響がとても強く見られます。
橋法によってはまったく同じ物があったりするのですが、それは蔡李佛の原型である拳法の一つ、李家拳から来ている可能性が極めてたかくなってまいりました。
もちろん、李家の技術も嵩山少林拳にその原型が見られる部分がありますし、さらには非常に古い拳法だと言われている翻子拳にも同様の物が見られるので、どれがもっとも古い原点なのかはわかりません。
しかし、フィリピン武術が功夫をコピーしたことは間違いがないので、地域的にもこの李家拳やあるいはその血族である客家拳のどれか、または白鶴拳がもとになっていることではあると思われます。
特に、ラプンティ・アルニスに至っては明確に蔡李佛がルーツにあるとわかっているので、李家の直系だと考えても差し支えないと思います。
蔡李佛には五獣の相があり、最近はその中でも鶴拳をフィーチャーして練習することが続きました。
この鶴の要素、これだけで一つの拳法になるほどに内容が豊富です。
また、蔡李佛拳とまったく同じような兄弟拳法が西藏白鶴拳と呼ばれていたり、蔡李佛と洪拳の両者を混合した套路に虎鶴双形拳という套路があったりと、鶴の存在には非常に大きなものが在ります。
鶴と拳法ということで有名なのが福建白鶴拳ですが、それとよく似た物も李家拳の中にはありました。
鶴というと一般には短打の印象がありますが、そうばかりではありません。
蔡李佛は逆に長打ばかりだと思われますがそうでもありません。李家由来らしき並行立ちで鶴の拳を短距離で打つ要素もあります。
私はそれを防身術として習ったのですが、きちんと長勁をを用いても行えます。要は段階に応じて使いどころがあるということなのでしょう。
平馬での長い勁が本道となるので多くの時間をそこに裂くのですが、鶴の拳を練るのも時に楽しみが味わえてよいです。
よく備わった完成された拳法というのは、このようにいろいろな側面があって多くの人にそれぞれの練り方が出来るように設定されているのだと常々感心させられてばかりです。