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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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古の武術、テラス・カシですよ!

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 本日のお題は、テラス・カシです。

 またの名をテーアズ・カジと言うそうです。

 この武術、実はスター・ウォーズの世界の武術です。

 実は私、伝統武術研究家であるだけでなくて、マーシャル・アーツ・ノベル愛好家であったり、SF武術愛好者であったりするのです。

 デストロイヤー・シリーズの「シナンジュ」とかVに出てきた「ラバク」とかが妙に好きであったりするのですが、それに比べるとこちらはだいぶメジャーなものです。

 詳細はこちら

http://www.starwars.jp/wiki/テーアズ・カジ

 に載っていたのですが、これ、現在公開中の「ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー」にも登場して重要な味付けになっています。

 スター・ウォーズの重大な欠点と言えば「ヒロインがかわいくない」と並んで「殺陣がダメ」というのが有名です。

 なにせまだ低予算映画だった時に売れてない若い子を主演にして、身動きが取れない巨漢と戦わせた上に武器が特撮で演者から見えないとか、彼らの師匠がシェクスピア俳優であったりとかと、アクション映画としてはあまり殺陣に期待が出来ない状態でした。

 そのために、逆に役者のスタント能力にひっぱられずに独自の映画的感性で独自のアクションが認知されていったのですが、この部分を90年代のプリクウェルで補おうとして、ダース・モールをはじめとしていくつかのアクションの試みをしました。

 しかしその結果は惨憺たるもので、「こんなアクションはスター・ウォーズじゃない」「動きがチャカチャカしていて格闘ゲームみたいだ」「安っぽい」「ヨーダが空中戦をするとはなにごとだ」と避難ごうごうでした。

 その、批判されまくっていた武術アクションが要はこのテラス・カシとして表現されていたものです。

 今回のハン・ソロでは、ボンド映画の悪役のような犯罪組織の親玉がこの武術の愛好家で、悪趣味な変てこなデザインのナイフを使って東南アジア風のアクションをします。

 つまりはカランビットなんかを使った、ハリウッド解釈の東南アジア武術アクションなのですね。

 これをヒロインも使うことで、ちょっと面白味のある絵面が出来ている訳です。

 ジェダイの騎士が一切活躍せず、ウーキーが怪力で暴れたりハン・ソロの早撃ちがアクションの主体となっているこの映画では数少ないチャンバラ的アクションになっています。

 さて、このテラス・カシ、リンク先の記事で分かるのですが、ジェダイからは軽蔑された武術だとされているようです。

 理由は、気功能力が低いから。

 スター・ウォーズはショウブラの少林寺物が下敷きになっている部分があって、武術宗教結社が帝国軍から国体の危機を保持しようとするという縦糸があります。

 そのため、ジェダイ騎士団は少林寺そのものであって、哲学はまんま少林武術の物です。

 ですので、天地のタオと自信を一体化してフォースを使うのですが、テラス・カシは多少はフォースを自分から引き出せるけれども、本格的にではない。

 つまりこれ、東南アジア武術なんですよ。

 功夫が南進して、独自に即物的な格闘術になっていったっていうことが、ここにそのまま反映されている、という次第なんですね。


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