リプレイと虚無主義
映画や小説のサブジャンルに「リプレイもの」というのがあります。 有名な作品は文字通りのタイトルの「リプレイ」。これは「リプレイJ」とアレンジされて日本でもマンガになったりもしていました。 このリプレイ物というのは、ある一日、あるいは一定の期間を何度もやりなおす、というのが基本の骨子です。 このようにして同じ時間の中から出られなくなってくると、作中では大抵そこから脱出をしようとします。...
View Article備わっているということ
中国武術という文化遺産を理解するためには、全体を理解する必要があると思っています。 そうでないと、自分が何をしているのかがまったく分からないということは珍しくありません。 にも関わらず、日本の中国武術というのはまったく教えない傾向が強いようです。 そのために、中国武術とはなんなのかという実態が練習者を含めていまだにいまいち理解されていないという印象があります。...
View Article古の武術、テラス・カシですよ!
本日のお題は、テラス・カシです。 またの名をテーアズ・カジと言うそうです。 この武術、実はスター・ウォーズの世界の武術です。 実は私、伝統武術研究家であるだけでなくて、マーシャル・アーツ・ノベル愛好家であったり、SF武術愛好者であったりするのです。...
View Article杖と骨
七月の関内WS無事終了いたしました。 だいぶ皆さんが兵器に慣れてきたので、兵器を介して勁を強くすることを中心に練習が出来ました。良かった良かった。 現代日本人の多くは生まれた時から骨格を杖にして、そこにぶら下がるようにして動くことが当たり前になっているように思います。 骨自体に動力はないのですが、自重を骨に縋り付かせてその骨を杖づくようにして身体を動かす。...
View Article今後の予定 随時更新
7月21日 土曜日 通常練習 関内 大通り公園水の広場にて16時より アルニス班 1500 外国人 TIP 功夫班 2500 遠方よりの学生さんがいらっしゃいます。参加者熱烈募集中です。 7月22日 日曜日 湘南クラス 茅ヶ崎駅南口 ダンススタジオYOU&MEさんにて 10時~11時45分ほどまで 一般 2500 外国人 TIP...
View Article今週の予定
7月21日 土曜日 通常練習 関内 大通り公園水の広場にて16時より アルニス班 1500 外国人 TIP 功夫班 2500 遠方よりの学生さんがいらっしゃいます。参加者熱烈募集中です。 7月22日 日曜日 湘南クラス 茅ヶ崎駅南口 ダンススタジオYOU&MEさんにて 10時~11時45分ほどまで 一般 2500 外国人 TIP こちらも同じくです。よろしくお願いいたします。
View Article下地のために
先日、テラス・カシとジェダイ武術の関係について書きましたが、武術には下地となる流派の存在がありえます。 これは実はけっこう見落とされがちなことです。それも意図的に。 どういうことかといいますと、私の友人だった男のエピソードを紹介しましょう。...
View Articleパシパシの起源
我々蔡李佛拳は、嵩山少林拳が南進した物がルーツの一つとされています。 そこに南方の洪門の武術が入って同化し、さらにはチベットのラマ武術の影響が強い。 少林寺の武術というのは、インド武術をルーツとしており、回族武術と同じ血族にあります。 中国の回族というのは、アラビア系ではなく移民したイスラム教徒のインド人の子孫です。 このため、少林武術もまた回族武術と同じ目で審美することが可能な部分があります。...
View Article死んだ力 死んだ功夫
この土日、それぞれ北海道と東北からいらしてくれた練習生さんがたを交えて練習を行いました。 暑い中でしたが、一応現状各員無事であります。 今回は両日とも、兵器を教材として力の流れを読む感覚をテーマとしました。 片方が打つのをもう片方が防いで、攻め手の力を利用してそのまま相手の兵器をもぎ取ります。 そこで今度はもぎ取った方が攻撃側となって延々と繰り返します。...
View Article死んだ力 死んだ功夫・2
先の記事に死んだ力と死んだ功夫のことを書きましたが、これはいうなれば形式主義ということでしょう。 311の地震が起きてすぐのころ、役所などでクールビズが行われることになりました。 それに対して「スーツを着ないで軽装で仕事をするなんて、常識はどこに行ったんだ!」と息巻いている人間が近くにいました。 これが形式主義です。...
View Article形骸を破壊する
形式主義について書いてきましたが、ここで技術論を少し書きましょう。 体内で力が運用されることを学べば(運気、用勁)べば、外面の形式にとらわれる必要はなくなります。 しかし、それが出来なければ形から入ることにはなるでしょう。 形のまま内力が使えなければここまで書いてきた人たちのように、やみくもに嫌がるだけの状態になって硬直してしまう。 この硬直した状態だと、相手は扱いが難しくなるように思えます。...
View Article伝統武術界の虐殺者たち
西洋社会の歴史から東洋哲学に至るまで世界史と思想の観点から語り続けているこのページでは、いつかトランプ大統領について何度も語らねばならないと思っているのですが、そのトランプ大統領が目標としているのが第七代のジャクソン大統領です。 概要で言うとこういう人です。 https://ja.wikipedia.org/wiki/アンドリュー・ジャクソン...
View Article師父との夜に
先日、また師父とお会いして稽古をしました。 稽古と言っても、いまの私は膝が動かずほとんど動けません。 無理のない範囲でほんの数回だけ動きをお見せしたあとは、ベンチに座ってお話をするばかりです。 これが私たちにとっては非常に重要なことです。 夜の公園に腰かけて、世界情勢や社会の動き、人心の流れや人類史について話します。 そこで、思想的な問答をすることこそが師父としての大事な修練であったりします。...
View Articleアメリカのいまについて EP-01 マルティン・ルターの革命と反革命
伝統思想の下に生きる者として、現代社会をどう見ているかということをずっと書いてきました。 キリスト教世界における神の死と、実存主義、東洋思想の関係を書くことから初めて、世界史上における少林武術の姿などについてここまで語り続けてきたのですが、その立場からするといまのトランプさんの政権について書かないといけないと思ってきました。 ただ、私は常に自分のことなどどうでもいいので論にしか興味がありません。...
View Articleアメリカのいまについて EP-02 宗教戦争
ルターによるドイツでの宗教革命を受けて、スイスではカルヴァンという人が立ち上がりました。 なぜアメリカの歴史について語る上で彼を語らなければならないかというと、その思想によります。 彼は独自の説として「予定説」という物を唱えていました。 これは、人が死後天国に行けるかそれとも地獄に堕ちるかは信仰には寄らないというものです。...
View Articleアメリカのいまについて EP-03 WASP
エリザベス一世は、別名を処女王と言われていたそうで、その名の通り子供がいませんでした。 そのために彼女が亡くなると王朝が滅んでしまいました。 そうすると、前に書いたメアリ・スチュアートの国である、スコットランドのスチュアート朝が取って変わります。 この時の王はジェームス一世と言う人で、当然ですが王権神授性を信じていました。...
View Article発達の問題 1
まともに人間の言葉が通じる人間なんてほとんどいない。 だからどれだけ物を考えて何を訴えても世の中はちっとも良くならない。 それが私の長らくの悩みです。 ここで言う人間の言葉というのは、格別難しい論説を指している訳ではありません。もっと単純なお話です。...
View Article発達の問題 2
日本社会の教育は、意図的に教育の方向性を偏らせて別方向への発達を阻止しているように思います。「我慢しろ」と忍耐を強烈に叩き込む一方で、我慢しなくてすむように問題を処理する発想力と実行力を延ばす教育は棚上げします。 とにかく現実から目をそらし、空気を多数決ででっち上げて現実を見ないようにする人材を作り上げようとします。...
View Article発達の問題 3
もし、時間制限が無くて、カンニングし放題のテストがあったら、赤点を取る人が居ると思いますか? 私は居ると思います。 それもいっぱい居ます。 うちの人たちにそのことをしょっちゅう言います。「焦らなくていいしカンニングしなくていいんだからやりなさいよ」 でも、言われる人はこういわれてもまず出来ない。 メモも取らないし見ないしゆっくりやらずに速くやってごまかそうとして失敗する。...
View Articleアメリカのいまについて 1・ハート・オブ・ロックンロール
「ロックとは音楽ではない。態度だ」 これはある映画の中の言葉です。非常に含蓄がある。 私も同じことを功夫に関して思っています。「功夫とは戦い方ではない。生きる姿勢のことだ」 この映画の中でロックの師匠の言葉を聞いた弟子たちは、それはどういう態度かと訊きます。 すると師匠は答えます。「偉そうなやつに逆らう態度だ」 実はこのロックの心得こそが、アメリカの精神です。...
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