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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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気の流れを変えてみる

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 去年、練習に来てくれてるヌンチャクチャンピオンのミソちゃんの結婚式に出た時に、昔作ったブルックスのスーツがきつくなってるのを恥ずかしながら痛感しまして。

 こういうときにちゃんとかっこよく着こなしが出来てないとダッサイんだよなあと思って知ってるおじさんたちをみたら全員ボトムスはデニムでした。だぁっぁぁぁぁっぁぁぁっぁぁぁせぇぇぇぇぇぇぇぇぇ! 全員太っちゃったんだろうなあ。

 私も含めて全員ダサい!(まぁおじさんたち私と違って普段スーツ着て仕事するんだろうけどさ)

 これはダメだと思ってちょっと、ちゃんとフォーマル目な時でも着れるスーツを新調しようと思いました。

 まぁそこまで本当に高い物は仕立てられませんから、せいぜい十万くらいで、その代わり遊びに行くときに着れるような物を仕立てようと思いまして。

 それで、500円玉貯金を始めました。

 でね、このまま行くといずれ目標金額に達します。

 一方で、あまりに普段着る服装も芳しくないという自覚も沸いてきまして。

 ひと月に一度、溜めてる500円玉でもう少し人間らしく見える服装を調達するということを始めまして。

 なにせね、体形がおかしなことになってる上に元神の働きでうっそりしちゃってるので、もう何を着ても立ちあがった動物みたいに見えちゃいますんでね。

 なんかアナグマかなんかが見栄張って二本足で立ち上がってるんじゃないかみたいなたたずまいのダサさがひどいのでですね、もそっとマシなモン着ようと。

 予算がひと月一万目安と設定しまして、これまでみたいに「んなもん着れて動けりゃそれでかまわん」みたいな買い方をしないってルールで。

 三着なんぼみたいのを二回ローテさせてワンシーズン過ごすみたいなのは辞めましょうと。もう。

 そういう、裸だと不便だし捕まるっていう消極的な理由で服を着ると言う儒教的形式主義からの脱却を考えまして。

 結果、初回はデニムを調達しました。

 これはわりにまともな判断だったのではないかな。ちゃんとサイズ感も好みの和柄もあってるデニムを、それなりの値段で変えまして。

 えぇ、デブ服屋ですよ。会員カード作ってるデブ服専門店ですよ。じゃないとウエストが入るデニムでも足が入りませんので。

 太ももだけじゃないですよ。ふくらはぎがもうにっちもさっちもいかなくなりますので。

 伝統中国武術家らしい、ふくらはぎとか前腕が太くなるっていうすっげぇバランスの悪い体型を包む、意味のある買い物をしましたよ。

 でも、二回目辺りでもうネタが苦しくなってきちゃって。

 いや、ピアスとかチェーンとか逃げ道もあるんだけど、二回目で出しちゃそれダメだろうと。

 じゃあ靴かというと、これが値段とファッションの抑えとしては良いのでしょうけど、何分私たち功夫者は、ちょっと何気に一動き練習しようものなら買ったばかりの靴のソールが剥げるという輩なので、これだけはどうしてもダメ。正直お金の無駄。ほんとは靴こそ一番の決め手だっておしゃんさんたちはみんな言うんですけどね。

 じゃあってことでやっぱり逃げ道、エキゾチック系の服屋を何軒か覗きまして。

 基本、デブ服屋に沢山あるからってサーフ系は着たくない。

 なぜならサーフィンをしないから。

 そういう文脈に拘らないからダサくなるって私は思うのね。

 もう全体がサーフなんだかボーダーなんだか分からないまでならまだしもそこにメタルとか入っちゃってたらクソださイモ野郎なこと間違いなしなので、ちゃんと自分が好きな文脈の物でせめて統一したいのね。

 てことは、ブラック・ミュージック系かラテン音楽系。ないし、まぁチャイナ要素は職業カンフー・マスターなんでギリお見逃しではないでしょうかと。

 てなことで見ていたら、キューバシャツが見つかりまして。

 ダメだよ。社会主義国の物だから間で経済のマジックがかかって1980円だったらダメだよ。ちゃんとした物を買う企画だから。でもまぁそこそこしたんで、あ、これはいい物だと。ちゃんとこれを着ればまぁ、いい歳した人間の男のおっさんが着る服としてちゃんと大丈夫な品質と格の物だと思いまして購入。

 気に行ってて最近はこればっかり休日は着てまして、ビーチ・ハウスでのキューバ音楽のライブだとかブエナ・ヴィスタ・ソシアル・クラブだとか行ってます。

 これ民族衣装みたいなもんだから踊るのがへたくそが着てるとキューバ人に笑われたりしてみっともないんだけど、そこはなんとか大丈夫。

 で、その次が今回だったんですけど、ほんっと困っちゃって。

 いや、この季節、もうTシャツしか着ないよ。

 あとはパンツとか靴下。でもそれ、そういうとこに良い物着用するのは立派な紳士らしいと思うけど見た目の向上というコンセプトに叶ってない。そういうのは平素から気を使ってこそちゃんとした大人の男。 

 じゃあTシャツっていうと、Tシャツで一万円くらい使うとして、それってどうなの? ドルチェ&ガッバーナくらいしか思いつかん。

 でもD&G、男が着てるとダサくない?

 そして着れない。

 回転ずしとか牛丼屋に入れない。醤油のシミとかできたら大変!

 元カノが本気出すと下着を上下D&Gで固めてたけど、いや怖くて触れない。なんかある意味魔除けのお札みたいな威力がある!

 てなわけでほとほと途方に暮れながらもまたデブ服屋を回ってたんだけど、そしたらまぁ、いまアロハの季節なんだよね。

 でも、アロハこそサーファーじゃないのに着てるとダサい。

 いや、若い子が着てればまぁいいんだけど、おっさんがオシャレしようとするととりあえずアロハになっちゃうの、センスがウルトラ貧困な感じで滅茶滅茶ダサい。

 だからこれまでまずノーマークだったんだけど(和柄は別。和柄シャツとアロハは違うので誤解なきよう)、たまたま、私が絶対に着ない模様のアロハがあってね。

 それが、アロハなんだけどアロハ文脈ってより80年代アメリカ文脈の柄なのね。

 サーフボードだけじゃなくてなんかビールの瓶とか夜のダイナーの外観とか、そういう80年代アメリカカルチャー的なアイコンが柄になってて、それなら80年代大好き人間の私の文脈にはOKかも。と思いまして

 さらに言うと、私が絶対に着ない色の、なんかソーダアイスみたいな地のがあってね。

 もうね、とにかく自分の判断でお金を使っていつもと同じような物を買わないっていうコンセプトで行くなら、このぐらい行くべきかと。

 そんなんにまとまったお金使うんだったらユニクロ買ってあとは貯金でいいよ、ってこれまでなってたから、そういう自分の暮らしに違う気の流れを通したいと言う目的にはこれは合うんじゃないかと思って値札を見るのも忘れてその「絶対に買わなさ」で購入。

 したらね、スタンプキャンペーンをやってたんですよ。

 それを貯めれば、全商品半額で買えるって言うの。

 それが後スタンプ二つでクリアになるとこまで来ちゃって。

 んで、スーツとかも扱ってるお店なんだけど、それでもいいのかって訊いたらいいって言うんですよ。

 てことはね、これ下手したら十万のスーツを二つ買えるか、十万だして二十万のスーツ作れるかになるでしょう?

 元手は変わらないのに、この単位で倍になるのわりにすごいことじゃないです?

 それとは別に、次の回くらいに二万出して遊び用の四万のスーツ買ったって言い訳だし。

 そうするとまぁ、裸じゃなきゃいいや程度のあまりにみっともない服装してたっていう状況の改善にはなりますよね?

 だからね、こういうことだと思うんですよ。

 それまで通りのことをしてると、そこまでをうまくデザインしてればちゃんとまとまった良い暮らしになるのだけれども、その安定にあえて不確定要素の気の流れを吹き込ませることによって、思っていたよりも外部の力が働いて良い方向に行くことがある訳ですよ。

 これが気の流れ、タオの流れの上に生きるってことなんだと思うんですね。

 こういうことに乗って自然体で生きられるってのが老荘的な出来る人ってことだと思うんですよ。

 そんな訳で、スタンプあと二つ分また頑張ります。


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