引き続き仏教からのお話。
仏教においては、布施と言う物が昔から重要とされていたそうです。
布施と言うと裕福な者にしか難しいことのように聞こえかねない言葉ですが、これは単に物やお金だけでなくて、行為が含まれています。
その中でも、私が興味を持ったのは法施と言ってよい知識を人に与えるというお布施です。
これは私が、それを必要としている人に、武術や気功を通して伝統思想を伝えたいと思っていることに重なるからです。
さらに面白いのは、このような布施の仕方に関しても古典には書かれているということです。
1・教えの戒めを保っている人が性質の悪い人に与えるならば、彼のしていることは正しくて心が喜ぶ。これは布施をするという行為が良い結果に繋がることを信じているからである。
2・性質の悪い人が戒めを守っている人に与えるなら、彼は不正を行っているので心は喜ばない。これは布施をするという行為が良い結果に繋がることを信じていないからである。
3・性質の悪い人が性質の悪い人に与えるのも、彼は不正に布施をしていて心は喜ばない。これは布施をするという行為が良い結果に繋がることを信じていないからでさる。
4・戒めを守っている人が戒めを守っている人に布施するなら、彼は正しく布施しているので心が喜ぶ。これは布施をするという行為が良い結果に繋がると信じているからである。
5・貪欲を離れた人が貪欲を離れた人に布施をするなら、彼は正しく布施をしているので心が喜ぶ。
これはねえ、世の先生を名乗る人々が、きちんと善知識を伝達しているのか、それともそうではないのかという私のいつもの心配に繋がっているように思えて仕方がないのですよ。