先日のワークショップ「勁力強化特集」の内容では、みなさんになかなかにお疲れいただきました。
内容はほぼ、昔の功夫映画の特訓シーンで観るような奴です。
内勁の強化法の特集なので、ごまかそうと思えばいくらでもごまかせるのですが、自分を追いつめようとすればいくらでも追いつめられるような内容が中心でした。
なので、うちの筆頭学生さんはじめ、ちゃんと効かそうとする人ほどお疲れのようでした。
そうすると結果も如実に体感できる物もあって、明らかに途中から軸(定力)の感覚が強くなっているのが見ていて分かるかたもいました。
この、感覚を発見することを気と言い、気から勁を導くことが我々の拳法のメソッドとなっています。
定力の気が強くなっているのを見て取れた人々は、のちの対練で明らかに動きが違っていて、ひょいひょいと一切軸のぶれもなく調子を取ることもなく人を勁力で運んでいる姿が見られました。
その、ぶれずに調子も取らずに勁を発し続けてゆくことが私たちの勁です。
これを作ってから後半に少し用法の練習をしたのですが、これがあるからこその技というのが蔡李佛らしい戦法を作ります。
基本の掛槌、掃槌の定番コンビネーションを仕掛けておいてから、そのままの動きで拿(関節技)に入り、ごちゃごちゃしたそれが上手くいかなかったらそのまま掴んだままやっぱり発勁でバーン! という練習をしたりしていたのですが、この辺り、打から拿や摔に行きつつも結局はやっぱ巨大な発勁でぶっとばすみたいなあたり、実に勁力中心の豪快さが顕れていてほほえましい感じがしました。
参加者の方々からも、ガード越しにそのままぶっ飛ばす現象が発生したりすると苦笑いが起きているところなども、蔡李佛の独特さが如実に出ていて面白かったです。
これこそがまさに巨大な鉄球が相手を押しつぶしてゆくという拳風です。いったんは相手が受け止めても、そのまま転がりつぶして引きつぶしてゆきます。
今回、もはや発勁は出来る前提でプログラムを組んでいたのですが、いろいろなやり方を試した結果、実際にそのようになったと感じます。
そのような人たちを、普段から通ってくれてるうちの学生さんたちがさらに勁力でまさってほいほい飛ばしていたのですが、ここに功夫の面白さがあります。
発勁のやり方を体得してもイマイチ実感が無いのは、実は功夫の問題だと思っています。
確かにそれまでの格闘技的なやり方とは違う打ち方をしてるけど、そこまで威力がないよね自分、というのは実は当たり前です。
そこから、発勁を強化させてゆく功夫を積んでゆかないと、強力な効果は出ません。
その威力の伸びしろが果てしないというのが、発勁の特徴です。
なので、打ち方だけ覚えてもあまり意味はなくて、そこから自分で功を積んで育ててゆくことがとても大切です。
今回のワークショップはそのための内容でした。
それぞれを持ち帰っていただいた結果、きっとみなさん功夫を積んで強い威力を養成していだたけることでしょう。
次の関内ワークショップは4月の17日の日曜日、今回やったような用法をメインにやっていこうと思います。