一緒に勉強をしている仲間とムエタイを見てまいりました。
私は格闘技には興味がないのですが、ムエタイに関しては観たい部分があったのです。
その観たい部分というのは、ワイクルーと呼ばれる試合前の儀式です。
ワイとは祈り。クルーは先師の意味だと習いました。
これはムエタイだけでなく、タイの伝統文化全般にあるように思われます。先師方への感謝を込めて祈るというのは伝承文化の継承において、おそらく欠かすべからぬものなのではないかと感じるところです。
ここのところの心を見落とすと、おそらく創作やねつ造が始まる。
現在学んでいるトークセンやルーシーダットンにおいてもワイクルーをするのですが、そのやり方と言うのは三度拝跪してマントラを唱えるという物です。
ムエタイのワイクルーというと一般にはダンスのような物を想像することが多いと思うのですが、実はあれこそがルーシーダットンの動きそのものです。
一見すると、ただ膝をついてリズムをとっているだけのように見えますが、実はこれメチャメチャきつい。
メインイベントクラスの選手になると、そのつらいワイクルーをずいぶん長い間やります。そしてそれに対して観客が湧く。
みんな、それがいかに辛いかを知っているということなのでしょうね。
そのため、これを試合前に見せるのが精強さをアピールする良いパフォーマンスになっているようです。
ムエタイのルーツもまた少林拳。その辺りも含めて、ひとつながりの仏教身体文化の世界の手触りを味わうことが出来ました。