先日の練習で、初体験の人が来られました。
勁の練習をしている時に、お互いに相手を推したり打ったりしてきちんと勁を使えているか、拙力でやってしまっていないかということを学んで行きます。
当然初体験の方は後者になり、それは仕方ないのですけれども、良くないのは打たれる側がぼんやりと立って受けてしまうことです。
最悪なのは自分から後ろに歩いていく連中。
練習にならないから参加しなくてよろしい。
この初心者の人に打たれた時、私はちゃんと立つことの意味を伝えたかったので本当にちゃんと立ちました。
すると、打たれた肩のあたりからびちぃ! と音がして相手の人が後ろによろめきます。
そして「うわ、先生重い」との言葉が漏れました。
私は能動的には何も動いていません。
向こうが打って弾き返されている。
ポール・ウェイド先生の大好きな言葉で言うと、私は「防弾」したのです。
BTSです。防弾翆虎の略です。
これは、排打功と言われるものとなります。
鉄布衫や金鍾鐔と言う人も居ます。
開祖の陳享先生はこの少林の芸が得意だったという話もあります。
排打功とは、すなわち発勁です。
身体の中の勁を運用させて打ってきた相手の身体を内側から打ってるので弾き返せるわけです。
よく、発勁というと勢いを使ったり体重を浴びせたりする人が居ますが、この段階ではそのようなことをしません。
一切の外形的な動きを用いず、内勁で行うからこそ瞬発力や体重ではなくて純粋に勁を用いることが出来る。
これはキャリステニクスでも同じです。勢いや重心の移動を使わない。
純粋に自分の力を用いる。
これは非常に重要なことです。