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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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ポジション・トーク

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 偶然、ある東南アジア武術の有名な欧米人先生のインタビューを目にしたところ、大変にショックを受けました。

 フィリピン武術の世界では有名な人で、先人として敬意をもっていたのですが、内容が嘘ばっかり!

「シラットの危険な技を無くしてムエタイは作られた」とかめちゃくちゃなことばかり言っている。

 元々、ねつ造流派出身の人だったので、実際に現地研究をして考えが改まっているのかと思ったら、逆に上書きのねつ造ばかり口にしていました。

 はては「東南アジア武術のルーツはなんだと思いますか?」という質問に対して「私だ。あちこちで教えたからね」と応える始末。

 おそらく、こうやってジョークではぐらかして商売を成立させてきたタイプなのでしょう。

 ナイスガイなのでしょうが、信頼できる人間だとはとても思えませんでした。

 きっと、そのばがたで自分に有利なことを冗談めかしつ喧伝し、不利なことははぐらかしてやってきたのでしょう。

 こういう人がした、自分のビジネスに有利なことだけを発言したのが、のちの誤解に繋がっています。

 前田日明選手の「自分は武術家だ。試合は演武だ」という発言や「世界最強はロシアの売春婦」などのように、無責任な放言は、愛嬌の皮をかぶりながらその実、非常に採算至上主義のポジション・トークでしかないように思いますが、代々武術家というのはそういうタイプの人が多いと思われます。

 実際、前田先生本人も「武術家はみんなほら吹きなんだよ。それでいいじゃない」と言っています。

 それはさ。

 ずるいよ。

 大人の手口なんだろうけど、それが扇動だし、数に物を言わせた権力者のやり方だっていうのは明白じゃない。

 そういう人が、真実を捻じ曲げていってしまうことは、武術の歴史の上でも内容の上でも、誰のためにもならないと思うんですよ。

 それで喜ぶのは、安全なところで甘やかされて、自分のエゴを粉飾するためのごっこ遊びとして武術や格技に取り組みたいオタクだけではないでそうか。

 そういう人たちの懐を当てにして、彼らのビジネスは成り立っているのでしょうから、これは生存のための方法に過ぎないと言えるかもしれませんが、あまりにも悪影響が大きいように思います。

 マイク・タイソン、アントニオ猪木、ピスけん、大山倍達総裁、確かにその手の人たちはいつでもどこにでもいたのでしょう。

 彼らの職業は「興行師」であり、グレイテスト・ショーマンの考え方で生きているのでしょう。

「どれだけ本当のことがばれても、カモはどんどん生まれてくる」というバーナムの考え方で生きているのでしょうけれども、いやはや、罪が重すぎる。

 我々はすでに、現実の歴史に関与している武術家や、ゲリラ戦の大家の武術と言った本物に触れてきてしまっています。

 その考え方が当たり前になっているところで、同じ感覚で上にあげたような「流れ者の興行師」を受けてしまうと、大変なことになってしまいます。

 両者を見極めて、真実を見極めるために、しっかりと原点を当たって物を学んでゆかないと。


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