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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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練消帯打対練

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この間のWSで行った練習に、連消帯打の対打があります。

連消帯打は、一つの動作で攻撃と防御を同時に行う物で、攻撃一つにしても打、摔(投げ)、拿(関節技)を平行して行う物で、いわば王手飛車取り的な物になります。

これを自由対打で行うことを別名短打練法とも言います。

方法はいろいろあるのですが、いま行っている物の一つとしては、まず片方が相手に掴打を行います。

以前に書いたこともありますが、蔡李佛でよく見る、攻撃を行うときに後ろに引いている方の手の用法です。陽である打ち手に対して、陰である引いている手で相手を抑えたり、引き崩したりしておいて打つのです。これを蔡李佛では拿と言います。十字訣の一つで大切な特色です。

これに対して、打たれたほうは可能であるなら防御しつつ、掴まれた手をほどきます。このほどくことを解禽と言います。

こうしてまず相手に重心をコントロールされている姿勢を取り返すのですが、そのままでは芸がありません。すかさず掴み返して自分の優位な体制に切り返して、今度は打ち返します。

するとさらに相手がまたそれを解禽して打ち返す、という繰り返しになります。

なれてくれば、掴まれたままそこを活用して崩しておいて最後に掴み返したり、またただその場の優位を争うのではなくて、将棋のように数手先を読んでどんどん相手が返しづらい状況に詰めてゆくという練習ができるようになります。

武侠小説の腕比べのシーンでよく見る、数手に渡っての攻防でしだいに片方が追い詰められて行き、やがて破たんが生じてきて手詰まりになる、というのはこういうやり取りをしているのだと思われます。

このような連消帯打の対練は、他門では秘宗門などで行っているのを観たことがあります。

また、有名なのは鷹爪門で、相手を掴んでコントロールする力を特に重視しているのだと言います。

確かにこの練功法をしていると、相手の中心に力を伝えて取り押さえる力が養われてくるようです。

この力を、把力や抓力などと言うようです。

これらを使う鷹爪の手法は南派拳法ではよく見られるもので、普遍的に用いられているようです。

ただ、なぜかうちでは鷹爪という言葉がなく、これも虎爪に含まれれているという謎があります。五獣に龍が無いことも含めて、女真族の象徴である鷹を避けたのかもしれません。

スパーリングのようなことはうちでは必須ではありませんが、このように自由に動きながらかつ内勁を練って行ける練功法は、大変に徳のあるものだと思います。

套路の技が使えるのかとか、どう使うのかという悩みなども、自然に繰り出せるようになることで解消される優れた練習だと思います。

ちなみにうちの場合、このように組んでいても手管で相手をどうこうするのではなく、いつも通りよくもわるくも勁力で無理やり利かせてゆきます。

なので、終わると内部が大変に疲れて鍛えられます。



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