最近ようやく発達してきたぶら下がり力ですが、おかげさまで片手でのぶら下がりが60秒をこえるようになりました。
これをする時には、身体の前側の任脈と側面の肝経の勁を用いています。
全然背中の筋肉ではないので西洋の体育理論とは差異がありますが、このタイプの運動が身体づくりの基礎となることは共通です。
こういった練功をすることで、なぜ中国武術が童子功(幼年期の身体づくり)や軽身功(軽業)を重視するかが分かってきました。
ぶら下がったり昇ったりする運動で、身体は大きく発達します。
これらの運動が、そもそも霊長類の骨格の目的であり、それに叶った運動をすることが神経の伝達や成長ホルモンの分泌を促すからだ、というのがキャリステニクスのコーチ、ポール・ウェイドの説です。
そういった先祖がえりを、気功や中国武術では元神を活性化すると言います。
その、元神の発達した身体を前提に中国武術は成立しています。
私の武術にも大きな影響をもたらしています。
先日、師父と練習をしている時、不意に師父が昔、体操をしていたと言うことを知らされました。
子供の頃からしていて、高校の時には市の大会で優勝もしていたそうです。
テコンドーをしていた話は聞いていましたが、そんな話は初めて聴きました。
前述のウェイドコーチ曰く、体操は19世紀のドイツで、キャリステニクスを競技化して作られた物だそうです。
じゃあそれ童子功じゃん!
師父の身体それで作られてたじゃん!!
私がそこに思い当たって、ある程度身につけてからじゃないと「正解」と言わない。
うちの師父はいつもそうです。
幸い、なんでも言われたとおりにやって自分で探求するから毎回正解にはたどり着けるのですが、いやいや、これこそ伝統武術の教伝法。
本気の人間しか至れない訳です。
私はちゃんとわかるように全部口で教えますが、それでもそれを聞かない人が沢山いました。
心根の叶った者だけが、それに見合った分だけ受け取れる。