とうとう、アンイーヴン・プルアップ7回でセットが組めました。
コンヴィクト・コンディショニングの基準でいうと、これでこのトレーニングの中級者ということになります。
この数週間、奇跡のように伸びてここに至りました。
いまではもう、一回もできないということは無くなりました。
常に安定してできるようになっている手ごたえがあります。
なにせバーをつかんだ時のグリップが段違いに強くなっています。
初めてこのトレーニングに挑んだ時は、片手でぶら下がろうとするや肩に激痛を覚えて文字通り地に叩き落されたというのに。
両手の時には当たり前に懸垂できていたバーを下から見上げて、これは自分には先天的にできない物なのではないかと絶望しました。
それでも、ただ絶望に溺れることなく、これまでもそうしてきた通りに自分のできることをして、自分に足りない力を得るための訓練を自分で設定してそれを続けました。
それをしながら何度も絶望を味わう期間を経てのようやくここです。
片手一つだけを接点に、安定して中空に自分を維持することはとても気持ちがよい。
重力からの自由ともいえるかもしれません。
あるいは、出来ないと思って自分が決めかけた制約からの自由とも言えるでしょう。
初めてぶら下がれるようになった時は、そこから一体どうすれば上に上がれるのかがわかりませんでした。
自分の体のどこを当ってみても、片手でぶら下がった頭上に上がる方法が皆目見つかりませんでした。
それを作るために、アンイーヴン・プルアップのグリップでやるホリゾンタル・プルを考案して実践して行ってからは急速に伸びてゆきました。
この、絶望、工夫、努力、成功の過程をこの離れ業において経験できたことは非常に大きな財産となったように思います。
人の体を育てる者、育て方の仕組みを語る者として、これは大きな土台となるでしょう。
この過程そのものもまた、世界に働いている力と調和し、自分自身から自由になり、真実と繋がるという生き方をするために非常に重要な物だったと思われます。