とうとう、アンイーヴン・プルアップが10まで出来るようになりました。
そしていまでは、9でセットを組もうとしています。
本日は最初のセットでは左右それぞれ9、2セット目では7・5というところです。
なんだ7.5って、とお思いでしょうが、8回やったはやったのですけど今一つ納得できなかったので減点というところで。
そして、終わった後の前腕がすごい。
以前のように痛めたような感じではなくなっているのですけれども、バイクのクラッチを切るのもしんどいくらいに腱が張っています。
そこで決めたのですが、これまでは週に二日やっていたプルアップを週一に減らすことにしました。
キャリステニクスのレベルが進んできて、一回一回の威力がものすごく強くなっています。
その強さによって筋力を鍛えるという仕組みなので、これは大切にやってゆかないといけません。
自分自身での体感からすると、いまは練習日を増やすよりも、休養日を増やした方が力が増しているように思います。
週一でやると、前の時よりも明らかに強くなっています。
前回は9でセットが組めるなんて思いもしなかった。
追い込みよりも休養が大切だという、キャリステニクスの特徴が如実に表れています。
この特徴がなぜ起きるのかというと、どうも神経系を鍛えていることと、腱を鍛えているということにあるらしい。
この、腱を鍛えるということ、意見が分かれるポイントです。
というのも、イチロー選手が「腱は鍛えられない」と言っていたそうなのです。
それに対してダルビッシュ選手は「腱は鍛えられる」と反論したことが話題になりました。
腱というのは、要は筋肉の末端の、骨と繋がる部分であるようです。私の解釈です。間違ってたら教えてください。
その、筋肉の端の骨と繋がる部分が、組織が変化して靭い繊維になって腱という物になっているようなのです。
タイでトークセンを習ったときに、トークセンは腱の治療に良いということを教わりました。
関節の、キワのところを打つとこれが解れるということなのでしょう。
ポール・ウェイド先生は、筋肉の仕組みについてゴムにたとえたことがありました。
もし、ゴムの一部だけが強かったとして、それを思いきり引っ張ったら、強い部分に接している場所が千切れるだろう、と。
これがおそらく、アキレス腱が断裂する、というようなことなのではないでしょうか。
柔らかい筋肉が途中から硬さのある腱に変化しているからこそ、その繋ぎ目辺りが切れてしまうだと想像します。
であるとして、筋肉を鍛えるときには一つながりのゴムを伸縮させて鍛えることになります。
このとき、筋肉も腱も一本の物なので同じ負担を共有することになりましょう。
となると、伸縮性に富んでいる筋肉が優先して鍛えられる、ということです。
柔らかい分、より消耗し、そして回復して育ちます。
これが、イチロー選手の言う「腱は鍛えられない」ということでしょう。
一つの物の強い部分と弱い部分である以上、同じ負担がかかれば弱い部分が先に消耗して鍛えられるのは必然です。
ここから発想の転換とキャリステニクスの秘伝があります。
先に書いたように、運動そのもので育てるのではなくて、休養によって鍛える。
運動で鍛えるならそれは筋肉が優先されることになります。
しかし、腱もまた筋肉ほどではないものの消耗しています。
その消耗が回復しきるまで休ませるのです。
すると、筋肉ほどではありませんが腱もまた超回復して強くなります。
もちろん、筋肉の平均回復時間と言われる48時間目安よりも長い時間が必要となります。
結果、長い期間はかかりますが着実に少しづつ育ててゆくことは可能です。
こうして作られた体は、筋量に対して筋力が強い。
筋肉の回復基準で体を作ると、筋量は増えますが腱にとってはオーバーワークとなります。
そうなるとただでさえ少ない成長率はカタボリックを起こしてさらに少ない物となります。
なので、ウェイトを使わず、かつ強力な負荷を短い時間でかけて、そして長く休ませる。
これによって、体の比率に変化が出た強い肉体が作られることになります。
イチロー選手は、有名な稽古の虫で、いつまででも練習をしていたという話を聞いたことがあります。
そのやり方は腱を育てるには不向きなのです。そこからの上述の発言だったのではないでしょうか。
ときに、筋量が少ないんじゃモテないじゃないか、という話にはなりますが、腱は鍛えにくいというのは、実は変化しづらいということでもあるようなのです。
つまり、強くしてしまえば衰えにくい。
よって、長く強い力が維持できます。
長期間にわたる健康という意味で考えると、非常に有用だといえましょう。
70過ぎても鉄棒の名人のような人がいますが、それなどはまさにこの強い腱の力を持っているのだと思われます。