以前に書いた笠尾楊柳先生の研究によると、中国武術は何度かの歴史的大変遷の時期を迎えているようです。
そのうちでも、明の時代には一旦刀術の伝承が途絶えてしまったというお話があります。
おそらくは家伝の物や民族系の物に関してはその限りではないと思うのですが、確かに現存の我々の武術は反清複明の結社の物。それ以前からの武術ではないので、そのあたりの歴史を確かめることはできません。
それでも最もさかのぼりうる物はないかというのなら、この苗刀になります。
https://www.youtube.com/watch?v=seLvTelSESw&feature=youtu.be
これは、台湾からお招きした老師によるお手本です。
苗刀は倭寇の時代に彼らが使う日本剣術を参考に、迎撃側の明軍が編み出した物だと言われています。
その折の土台となった日本剣術は影流であると言うのが定説であり、この苗刀術は影流を中国武術化したという面白いものになっています。
古式ムエタイの中国武術化など、中華と言う大国は様々な周辺の物を漢化して大きくなってきました。
使う兵器と一つ一つの形こそ日本刀をイメージしたものであるものの、その動きは非常に中国刀的です。
我々の刀術やエスクリマとの共通性も高い。
海賊武術として非常に興味深い研究対象です。
ちなみに、その陰流も今シーズンの功夫伝奇で特集されているようです。
https://www.youtube.com/watch?v=GBuDEJTYf3Y