本日は、タピタピというループする対練のバストン二本持ちから。
これが混乱する。
しかも、途中での分岐もいくつか。
それが終わると、今度はヴァージョン(ヴェルシオン)という組立ちに。
そのあとは、ポルム3という一人型練習。
このポルムがラプンティ・アルニスの特徴でもあって、あまり他ではみない独特の練習法なのだけれども、これは実は有名なドセ・パレス・オリジナルでもやっている物。
というのも、恐らくはこの一連のポルム、エスパダ・イ・ダガの型であったようで、かつてラプンティ宗家のフェリモン・カブルナイ先生がカニエテ家にエスパダ・イ・ダガを伝えた時に伴ったものであるようです。
このポルム、どうもNO10くらいまであるそうな。
私が習ったのは3までです。
今回「すべてをお前に教える」とは言われましたが、いやいや、それは無理だということで、これに関しては例外であったようです。
このほかに、今回はエンプティ・ハンドの練習をしました。
これはもちろん兵器を使っている時と同じことをするのですが、その時の独特の変換の仕方の練習です。
面白いのが、以前ならったモンゴシにあと一歩でなりそうなのですが、ギリギリのところでその独自の危険な技術には触れることがなく、比較的まっとうな戦い方のレベルにとどまっているということでした。
この、モンゴシへの危険視の仕方は実に独特で、口にするのも小声になるほどです。
今回、私が世話になったある先生が、実は他の人たちから少し距離を取られているのだと聴きました。
以前から少し感じていなくはなかったのですが、それはその先生が他の人より実直でマジメだからだと思っていました。
ですが実は、それはその先生が見返りを受け取って暴力を行使する仕事をしているからだという話です。
フィリピンのエスクリマドールの世界には、そういう人が割に普通に居ると言う話は聞いていました。
実際、私が過去にそれに近い仕事をしていたことを知っている人からそういうジャンルの人の所に紹介すると言われたこともありました。
しかし、暴力の世界にはすっかり嫌気がさし、同じく目に見えない暴力のまかり通る一般社会にさえ嫌悪を感じて隠棲の身になっている私です。それは断りました。
私に良くしてくれている、マジメで優しい先生は、やはり数少ないモンゴシの使い手です。
その辺りも、きっとフィリピン武術の闇の世界に繋がっている物なのでしょう。
私はそこを離れて、心と体を自由にする、より良い物を目指さなければなりません。