今日はすこし、泣き言を言う。
突然耳元から、ライムスターの「そしてまた歌いだす」が聞こえてきた。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm13383596
涙があふれだしてきた。
もう二十年も、ずっと聞き続けている、人生でも格別に影響を受けたアーティストの曲だ。
シーンを作って行こう、世の中に何かを届けようという彼らの姿勢をずっとなぞるようにしてここまでやってきた。
だから私はずっと、人々が偽物やセルアウトのジャンクで踊ってることにいつだって苦言を呈してきた。
その足元がひどく危険で、この世の中の本当のことの前にいつ飲み込まれたっておかしくないって。
いままで無事だったのはただ運がよかっただけだって。
だから煙たがられたし、怖がられてきた。
そして今、世の中はただ外に出てビールをひっかけてライブハウスに行くこともできなくなった。
地球上のたくさんの地域でだ。
みんながうるさがって馬鹿にしていた、起きる訳のない現実がここにある。
ここまでやってきたこと、ここまで必死で伝えようとしてきたこと、そのほとんどが無駄だったということが、私の目の前に突き付けられている。
いつからか、自分の感情のことなんて考えなくなっていたけど、いま感じているこれが、悲しいということなのだと気が付いた。
世の中は少しも良くならなかった。
たくさんの人が、いまに至っても相変わらず愚かなことをしている。
あれが悪い、誰のせいだと人を責めるばかりで、相変わらず足を引っ張りあっている。
そして分かりきっているやり方で引き続き、文字通りの意味でも世の中に害悪を振りまき続けている。
膝から崩れ落ちて、地面に頭を突けて、そのまま神様に向かって泣きじゃくりたかった。
でも駄目だ。
私のお気に入りだったライムスターの楽曲「THE X DAY」のリリックはこの腐った世の中に向けられている。
「ハリウッドの馬鹿気た映画みたいに世界の危機でも起きなければ、ぼくたちはお互いに争うことを辞めて一つになんてなれないんじゃないか?」
現実はそんなに希望的な物じゃなかった。
これだけの危機にあっても、結局はみんな争いあっている。
ずっと昔から絶望してきたけれど、それは決して間違いじゃなかった。
でも駄目だ。
ここで辞めることなんてできない。
それでもやるんだ。
人々が愚かだからなんて、絶望していて歩くのを辞めたら駄目なんだ。
どんな人間にだって、それぞれに愚かに生きる権利と自由がある。
それを受け止めないと私もまた愚かな一人になる。
だから受け止めて、自分の道をまた歩き出さないと。
誰かが出来る限り賢明にならないと。
凡庸なまでに溢れている悪意に対して、どれだけ無力だとしても誰かが出来る限りの善意を世の中に持たないと。
背筋を兀に伸ばして、バトンを次の誰かに渡す。