偶然流していたテレビでやっていたのですが、インナー・マッスルというのは、脳の働きと直結しているらしいのです。
いや、それは変ないいかたですね。なんでも脳とつながっている。
なんというか、無意識と繋がって反射で働いているらしい、というのがより近い言い方なのでしょうか。
例えば、何か荷物を見てそれを持ち上げようとしたときに、インナー・マッスルはすでにその荷の重さを想定して、それに対して軸を立てる力をを作っているというのです。
そのようにして、すでに体の内側に力が出来た状態で、実際に体は荷物に触れることになるのだそうです。
これは、神経系の発達に関わる物だと、ウェイト・トレーニングをやっている人間ならわかるでしょう。
体が支度が出来ていなくて、内側での力が作られていないと、普段は上がっているウェイトがびくとも動かないということがあります。
反対に、神経系ばかりが発達して内側で力を作る能力ばかりが上がると、私のようにちっとも筋肉が大きくならない。
筋力と筋量のお話です。
この、神経と筋力の関係は、中国武術的に言うと識と力ということになりますでしょうか。
識とは認識能力のこと、力とは結果として外に出た作用なのですが、これ、有名な六合理論に含まれているように感じます。
六合とは、内三合と外三合を足して六合というのですが、内三合とは心と意、意と気、気と力が合うということです。
上のたとえで言うなら、荷物を認識した心、それを上げようという意、具体的にどう持ってあげようかという気、そしてその方法論と伴う、実際に用意された力。これが内三合の考えなのではないでしょうか。
この部分を発達させるものこそ、まさに気功の部分となります。
運動的な力の出し方が見えないような何気ない動作、その中にすでに、中国武術では内功の力が宿っています。