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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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西洋海賊たちの闘争 3 女王たち

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 先に、これはスペインに英国が取って代わる話だと言うことを書きました。

 日本人に分かりやすくその時代背景をいいますと、フィリピンでマゼランが戦死し、ドレイクが世界一周をしたのは16世紀、戦国時代の終わりから江戸時代が始まるくらいのころです。

 ですので、西洋の海賊たちからは鉄砲が日本にもたらされていて、日本の浪人たちは海域で倭寇行為に出没した、と言った時代です。

 この頃に、ヨーロッパではカトリックとプロテスタントの相克が火花を散らしていました。

 特にその趨勢の中心にあったのがイギリスです。

 というのも、プロテスタントの本拠地である英国でしたが、この国の王位を握るエリザベス1世の異母姉に、メアリー1世という人が居ました。

 この人はイングランドとアイルランドの王位を所得していたのですが、同時にスペインのフェリペ2世の元に嫁いでいたのですね。

 フェリペ2世、以前にも書きました。あごのヒトですね。

 スペインとなると、当然彼女はカトリック領の人であったのですが、特に熱心な信徒で、プロテスタントの弾圧を始めて、ついには大虐殺を行うに至ります。

 そのために付いたあだ名がブラディ・メアリーというくらい壮絶な数の処刑を行っていました。

 物事には陰陽の反応があるもので、この虐殺を目撃したプロテスタントの中から、カトリック勢の動向を監視しなければならないという動きが生まれてきます。

 そこから出来たのが、イギリス最初の諜報機関です。

 007やキングスマンでお馴染みの英国スパイ組織の元祖は、カトリックによる弾圧をけん制するための物だったのです。

 メアリー1世の死後、イングランド王位はエリザベス1世に引き継がれるのですが、プロテスタントであった彼女の元、このスパイ組織は大きくなってゆきます。

 というのも、彼女の次にイングランドの王位継承権を持っていたのが、メアリー・スチュアートというスコットランドの女王でした。

 彼女はカトリックであり、エリザベスはすぐ側にカトリックの国にして、自分の後継者になってしまう人を構えていたのです。

 不慮の事態で代替わりが起きれば、プロテスタントへの迫害は一気に強まることになります。

 プロテスタント勢はエリザベス女王の庇護を強く求め、またカトリック諸国との闘争を煽ることになります。

 結果、エリザベス1世はメアリー・スチュアートを幽閉し、最終的に処刑するに至ります。

 この流れは、ジョジョの奇妙な冒険第一部にも描かれていますね。

 これは、英国領におけるプロテスタントの支配が背景にあったのですね。

 

 

 

 

                                                                      つづく


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