前の記事に書いたように、腎が疲労する頃合いです。
五行で言うと腎は水行の気、熱を下げるために働きます。
この猛烈な酷暑のもとでは明らかにオーバーワークとなります。
これが疲労すると、腎臓に繋がっていると言われる根本的な生命力、生殖に繋がる気である「精」にも衰えが現れます。
根本的な生命力とか生殖力とか、衰えたらいかにも大変です。
慢性的な疲労の原因にはこの腎の衰えである腎虚があげられるというくらい、これはきちんとケアしておきたいところ。
これね、根本的なことなので長い目で見てお付き合いした方がいいと思うのですが、ちょっとだけの間ですが即効性のある対応法があります。
それは、甘いものを食べるという物です。
これ、疲れた時には甘い物という昔からの言い伝え通りですが、気功を学んでいる中で師父から教わったことです。
私も師父も、平素あまり甘いものを食べないのですが、消耗した時には身体の奥から欲するように甘いものを摂りたくなったりします。
最近、私が身体で痛感しているのは、夏の疲労には特にアイスクリームだなあと言うことです。
いや、夏にアイスクリームとか誰でもわかってるアホみたいな答えなんですけど、これね、やっぱりそうなのですよ。
もうちょっとちゃんとしているように聴こえることをお話ししましょう。
実はですね、アイスクリーム業界での定説と言うのがあるそうで、夏の前半ではアイスクリームが売れるのだそうですけど、一定以上熱が上がって猛暑になってくると、甘すぎるし乳成分が濃いアイスクリームよりも、かき氷の方が売れるのだそうです。
私も平素の真夏は、外仕事で死にそうになると普段はまったく口にしない(知覚過敏なので……)かき氷を詰め込んで体温を下げます。
直接体温を下げる即効性で言うと氷なのですけれども、アイスクリームには腎の気により効果が高い部分があるように思います。
これが気功的なテーマです。
五行説では、五臓に感情が宿ると考えます。
これは解釈が分かれるのですが、心拍数が上がると感情が激しやすくなるとか心配が多いと胃が悪くなるというように、臓器と感情に関して反射が出やすい物と言うのはあるのではないかと言う気がします。
腎臓は驚の気、ビクビクしたりする感情の不安定な揺らぎに繋がっています。
腎の気は毛髪の生成にも繋がっているとされるので、恐怖のあまり一夜で髪が真っ白になった、というような話はこのためであると言われます。
アメリカではよく、失恋した時はアイスクリームをドカ食いするなんていいます。
これは、感情の不安定な状態であるとやはりアイスクリームが欲しくなると言うことなのでしょう。
私の考えでは、アイスクリームの要素は二つ。
糖分と乳成分なのですが、このミルクというのは精と通じると言う説がるのです。
これは、生まれたばかりの哺乳類が身体を作るために摂るのが乳なので当然と言えば当然なのですが、そこにこそ精であるという考えが生まれえるのではないでしょうか。
ヨーロッパの伝説では、寝ている間に夢魔(ナイトメア)という物がやってきて人から精を抜くという話があるのですが、これを避けるにはベッドサイドにミルクを置いてゆくと良いと言うのです。
夢魔はそちらを持ってゆくと言うことでしょう。
性的なショックである失恋の傷で不安定になっているのを補うのに、ミルクと砂糖で出来たアイスクリームはとても有効であるということでしょう。
さらに、身体を冷やすためにも働いている腎はアイスクリームで身体が冷やされれば仕事が楽になります。
そういう意味で、アイスクリームは補腎のための食品だと最近解釈しています。