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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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伝奇的なお話

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 今回のお話はまったくただの伝聞ですし、ゴシップの類、都市伝説のような話です。

 昔、私が少しやっていた某日本武術には、西派と東派に系統が分かれていました。

 一般に知られているのは東派で、大変に独特な動きが話題に上るのですが、実は西派ではその動きは一切行いません。

 どうもその動きは、明治になってから改変されたものであろう、と言われていました。

 非常に中国武術的な動きなので、大戦時の動乱で大陸から伝来した要素があるのではなかろうかと。

 江戸期には明人から中国武術が伝わって、日本武術に大きな影響を与えたというのですが、私が学んだ西派は幕末に有名になった流派でした。ということは、やはり明治なのではないかというのが妥当な推測のラインです。

 最近、よく私がレクチャーしている内容が、この東派の物に大変似ていると聞くことが重なりました。

 なのでおそらくは少林拳の秘伝が日本に伝わったのが東派なのではなかろうかと思っておりました。

 まぁ隣の国ですし、長い歴史のなかではそのようなこともあるのではないかと思います。

 ところが、驚くべき話を耳にしました。

 ある中国人の老師が東派を見て「なぜ○○が日本にあるのだ」と言ったというのです。

 この○○は少林の奥伝中の奥伝と言われています。

 さらに言うと、少林武術と内家武術の中核を繋ぐ物であるとも言われていて、中国武術全体の中でも全体像を繋ぐ鎖であるとも言われているものです。

 私自身、実はその一派を学んでいたことがありました。

 それはある特殊な少数民族に伝わっていた武術で、非常に特殊な物であるとされていました。

 どこが特殊かと言うと、まず動きが非常に奇妙です。

 ただそれは、禁武政策下での対策として、武術に見えないようにしていたという話もあります。

 しかし、実際はこの武術は秘伝であるため練習は聖地の中でのみ行われていたので、元より外部に見られるものではありません。

 また、その部族の他の武術はちゃんと武術に見えます。

 これだけが特殊なのです。

 門内に伝わっていた話では、これは元々普通の武術をしていた物が、強力な内勁を体得するために後から学ぶものだというのです。

 そのため、外見は関係ない。外に出ない勁を得ることによって、それまでに学んだ武術を行っても、中身はその勁であるということが行われます。

 この、後付けでインストールして中身を換えるためのものだとすれば、それが日本武術にも適用出来て当然です。

 さらに驚くことは、実は蔡李佛拳でも高級になると姿がまるで変わるのですが、それがこの特殊民族武術にそっくりなことです。

 これはまだほとんど世間では知られていないことですし、日本には両方やってる人は私くらいしかいないのだと思うので誰にも共感は得られないのですが、秘密の高級套路を打つたび、似てるなあと思っています。

 ちなみに、中身も同じです。

 これが南の勁の面白いところです。やはり普及を志したおりに、少林の秘伝の勁力をそこに含んだのでしょうか。


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